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    公共データベースに登録されたRNA-seq(Truseq)データのFI幹細胞はOct4-GFPのB6マウス系統と少量のCD1系統の二種類の細胞腫を含んだサンプルに由来すると書かれている。

    このFI幹細胞はES細胞特異遺伝子とTS細胞特異遺伝子を共に発現していてるが、それはB6のES細胞とCD1のTS細胞がそれぞれ発現しているからだと言われてきた(遠藤論文)。

    遠藤論文TS

    しかし、遠藤論文を見る限り、Sox21の発現はCD1だけでなく、B6からもあるはずだと「STAP細胞もキメラもSTAP幹細胞もFI幹細胞も全てある」で書いてきた。

    公共データベースの登録データを直接、IGV(Integrative Genomics Viewer)で確認できる環境が整ったので、改めてどうなっているのか調べてみた。

    まず、Elf5(TS特異遺伝子)であるが、CD1側から発現しているというのはその通りだった。FI幹細胞の発現量(中央に発現値の範囲を書いているのでこれに注目)が0-139と少ないが、これはCD1が少量だからであり、図のパターンをみても同じ細胞株から発現していると分かる。

                       Elf5の発現量
    Elf5-3.png

    しかし、やはりTS特異遺伝子Sox21についはそれでは説明が付かない。

                       Sox21の発現量
    sox21-4.png

    TS細胞CD1が発現するだけならElf5と同じように発現量も数分の1に低くなるだろう。しかし、Sox21の発現量は同等程度あり、しかも図のパターンも違っている(線の色が消えたのはB6系塩基が8割を超え、それが標準塩基と一致したため)。これを数値で示すと以下になる。

    Sox21発現量

    TS細胞CD1での発現はB6系、非B6系で同程度であるが、FI幹細胞になると、非B6系の発現がCD1に比べ1/5程度に減り(量が少ないため)、B6系の発現は低下せず、逆に増えて全体の8割以上がB6系になっている。

    このことはCD1ではないB6の細胞株が発現していることを表している。つまり、B6はES細胞ではなくFI幹細胞だったということである。

    FI幹細胞はSox21は発現してもElf5は発現しないというのは別のChIP-seq((H3K4me3)のデータでも見て取れる。FI幹細胞の一つの特徴であるといえるのではないか。

    Elf5-sox21-2.png

    なぜ、FI幹細胞にCD1のTS細胞が混ざったのかというと、FI幹細胞の作り方にその原因があると思われる。STAP幹細胞を最初はキメラ胚から作っていたとの若山氏の発言があるが、STAP幹細胞をキメラ胚の内部細胞塊で作ったなら、FI幹細胞を栄養外胚葉で作ったことが考えられる。栄養外胚葉にあったキメラ胚のホストのCD1がTS細胞化して一緒に取り出されたのではないかと思う。

    ちなみに、このFI幹細胞のES細胞特異遺伝子Pou5f1(Oct3/4)、Nanogの発現量は以下のとおりである。

    Pou5f1-2.png

    nanog.png


    2018.01.04 Thu l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top
    大田氏のFES1とFES2は129B6F1マウスから作られた受精卵ES細胞であったが、129系マウスは129+Terのはずであった。それが、調査委員会ではどちらも129X1だと解析されていた。

    FES1はFLS3そのものなので129X1なのはいいが、FES2まで129X1なのは本来のFES2にFLS3が混ぜられているからだと思っていた(そう思っていた理由は「調査委員会の解析を妨害した方法(3)」参照)。

    そこで、桂調査委員会が解析したFES2が実際にどうなっているかを調べてみた。

    129X1と129+TerのSNPパターンが違う箇所をみつけ、そのFES2に129+Terならではの塩基があるかどうかを調べることにした。

    SNPパターンの調査には「SNP data retrieval utility」を使用した。とりあえず、第14番染色体で検索すると次のように表示された。

    129x1とTer

    例えば、SNP「6928804」では129X1とB6は同じ塩基「T」に対して129+Ter(129T2)は「C」なので129X1の細胞の中に129+Terが混ざっていれば分かるはずである。これを3つの箇所で調べると以下のようになった。

    129X1とTer2

    129+Terと解析されている核移植ES細胞ntESG1にはちゃんと該当する塩基が現れているが、3つのSNPのFES2にはどれも129+Terの塩基はなかった。

    ということはFES2はFLS3を混ぜて作ったわけではなく、もとから129X1B6の受精卵ES細胞だったということになる。



    2018.01.03 Wed l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top
    2017/11/20(月) 午前 9:02にTs.Maker氏のブログのコメントに次のコメントが書かれていた。Ts.Maker氏自身のコメントである。

    「memo chrM 12,188」

    「chrM」とはミトコンドリアのDNAを指し、何かを見つけたのでその地番を12,188とメモ書きしたということであろう。

    体細胞は核DNAの他にミトコンドリアに独自のDNA(mtDNA)を持つ。このmtDNAは必ず母親から子に受け継がれ、父親から受け継がれることはない。したがってmtDNAを調べれば、母親、母親の母親、さらに母の母の母と女系を遡ることができる。またmtDNAは組換えが起こらないので、mtDNAに違いがあるとすればそれは突然変異によるということになる。

    私はFLS3がクローンマウスの仔から作られていると考えていたので、FLS3がクローンならミトコンドリアは移植先のmtDNA(おそらくICRマウス)になり、ミトコンドリアを調べれば129B6F1の母親側の129マウスとは違う塩基(SNP)が見つかるだろうと思っていた。そこで、このコメントを見て、すぐFLS3のミトコンドリアを見にいった。

    IGVで見ると①のようになっていた。これは予想外であった。①のFLS3に塩基AとTが半々ずつ出ていたからである。mtDNAは母親のDNAしか持っていないので、1塩基中に2種類出るとは思っていなかったのである。

    FLS3-12188.png

    しかし、文献「体細胞クローン金華豚、およびその後代産子におけるドナー体細胞由来mtDNAの伝達性」を見ると、次の記述があり、体細胞クローンではドナーとレシピエントのmtDNAが混在すると書かれていた。

    体細胞クローンウシでドナー由来のmtDNAが検出されて(Hiendlederら1999;Steinbornら2000)以来、体細胞クローン動物に関しては、伝達割合に差はあるものの、クローン個体内でドナーとレシピエント双方由来のmtDNAが混在する状態(ヘテロプラズミー)と考えられつつある(Takedaら」2000;Inoueら2004)

    AとTが両方でるのは、FLS3が体細胞クローンで12,188番のTの塩基はドナーの129B6F1の129系塩基T(②)に、レシピエントのmtDNA(おそらくICRマウスで塩基はA)が混在しているからだと思われる。

    調査委員会はFLS3はFES1由来で、FES1は129×B6の受精卵ES細胞ということであった。それなら、mtDNAの12,188は②のように塩基Tで灰色表示されるはずである。作製者の太田氏は作成後、研究には使わなかったというので、突然変異が半分まで蓄積するはずもない。FLS3が受精卵ES細胞でないのは明らかだ。

    もし、FES1のミトコンドリアもFLS3と同じなら、桂調査委員会が調べたFES1は太田氏の作成した受精卵ES細胞ではなく、すり替えられ太田氏作製のFES1として調査委員会に提出されていたことになる。逆に、FES1がFLS3と違うなら、それはそれで、FLS3はFES1由来とは言えないことになる。

    いずれにしてもこのミトコンドリアの一塩基で桂調査委員会は詰んでいるのである。



    2017.11.21 Tue l STAP細胞事件 l コメント (1) トラックバック (0) l top
    3番染色体と8番染色体にそれぞれ欠失があるとされた範囲のFLS3とFI幹細胞(Chip-seq input)をIGVでみると以下のようになる。

    3番染色体の欠失の部分は、

    B6欠失

    であり、FLS3は欠失部分のリード数がガタンと落ちていることが分かる。本来の2本鎖が1本しか検出されていないからということになる。FI幹細胞の方はChip-seq inputなので、もともとリード数が少なく、何となく少ないかなという感じである。

    一方、8番染色体の方も、

    129欠失部分

    で、同じような傾向がみえる。FI幹細胞の方は3番染色体に比べ、少ないのが分かりやすい。

    ここで、この2つの欠失部分で129CAG-GFPマウスの特徴的な塩基をピックアップしてFLS3とFI幹細胞と対比したのが次の図である。

    129塩基1

    3番染色体の欠失部分にある129CAG-GFPマウスの特徴的な箇所(リファレンスの塩基G(黄土色)がAに置き換わって緑色で表示されている箇所)のFLS3とFI幹細胞をみると同じ緑で129の特徴がそのまま反映されている。これは、B6系が欠失だということと辻褄が合う。

    一方、8番染色体はというと、

    129塩基2

    129CAG-GFPマウスでリファレンス塩基が青色のCが赤のTに置き換わっている箇所はFLS3とFI幹細胞は共に灰色(灰色はリファレンス塩基と同じことを表している)である。つまり、129の特徴がないということで、これは129が欠失していることと辻褄が合うのである。



    2017.11.20 Mon l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top
    その後の阿塁未央児(@aruimiouji ‏)氏のツイッターは、STAP論文作成に使用された、「公共データベース登録されたFI-SCのデータには、もしかして欠失はなかったかも?」とトーンダウンしているが、私はポップアップメニューの内容から、やはり、

    「Chip-seq(input)のFI幹細胞に欠失はない」

    でいいんじゃないかと思っている。

    IGVのカバレッジの灰色の部分にカーソルを当てると、ポップアップメニューが現れ、その塩基の地番と種類、およびトータルカウント数が表示される。そのカウント数は+と-に区分され、それらを合わせるとトータルカウント数に一致するようになっている。

    この「+」と「-」は何を意味しているかというと、おそらく+鎖と-鎖を意味しているだろうと思う。DNAは二重らせん構造でATGCからなる塩基の二つの鎖がたがいに相補鎖となっているが、該当の塩基がどちらの鎖から読まれたかを表していると思うのだ。

    つまり「1+、1-」であれば、それぞれ+鎖と-鎖から1本ずつ読み込まれていると思われる。

    Acr/CAG-GFP 129B6F1のFES1の8番染色体は129系の欠失があるとされているから、もし欠失があれば、欠失箇所の塩基はすべて+鎖か-鎖のいずれかで表示され、両方では検出されないことになる。

    IGVで調べると欠失があるとされる範囲の塩基はどちらか一方しか検出されないものもあるが、その欠失範囲において一様に+鎖と-鎖がカウントされており、トータルカウント2以上で+鎖と-鎖、どちらもカウントされているものがある。従って、欠失とされる範囲に欠失はないということになる。

    FLS3を同じように調べるとはっきりするが、手元にないので、とりあえず思いついたことを書いてみた。

    やはり欠失はない
    2017.11.20 Mon l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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