「STAP細胞事件」について、ブログ「小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会」のコメント投稿者Ooboe氏のパートナーだという人による告発の話が出回っているので、これについて少し書いてみたい。

    告発状を書くときは、検察が起訴状を書くように書けとどこかで読んだことがある。つまり、犯行の三要素、「動機」、「機会」、「手段」について調べた範囲で明らかにし、この行為は刑法〇〇条にあたる。よって、厳正な処罰を求める。というような具合である。

    この告発状の内容について、警察・検察の要求するレベルは我々が思っている以上に高い。我々が思うのは裁判で使えるレベルであるが、警察・検察が要求するのは、それを裁判で争って勝てるレベルである。

    「公的第三者機関というが、放医研は正式な解析契約をしていない。単なる個人の解析に過ぎないものを、さも権威ある機関によって解析されたように装った偽称である」。これは裁判で使えるレベルであろう。

    対して、弁護側は「個人の解析であっても、放医研に勤務する利害関係のない専門家が解析したものであるから、公的第三者機関という言葉を使ったからといって偽称ということにはならない。解析契約のあるなしでそれらの言葉を使い分けよというのは一般常識から外れている。」という反論になるだろう。

    その告発内容では不十分でも裏付け捜査をすれば、さらなる事実が明らかになりそうだと思えば、警察は受理してくれるだろう。その結果、勝てると思えば起訴、そうでなければ不起訴になるのである。

    この告発の話で気になったのが「動機」である。ネットを見る限り、小保方氏の研究者生命と研究業務を妨害したとする若山氏の「動機」が明らかにされていない。この告発内容で受理してもらうためには、何故、若山氏がかつて共同研究者であった小保方氏の研究妨害をしなければならなかったのかという「動機」については、書いておくことが必要だろうと思う。



    2017.03.15 Wed l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top
    一度、書いたことだが、非常に重要なことなのであらためて書き留めておくことにした。それはSTAP細胞もキメラもSTAP幹細胞もFI幹細胞も全てあったということについてだ。

    作られた順番はSTAP細胞、キメラ、STAP幹細胞(キメラと同時)、最後にFI幹細胞という順である。そして、最後に出来たFI幹細胞はES細胞とTS細胞の両方の性質を持ち、今まで知られていない幹細胞の特質を持っているとされた。

    ES細胞とこのSTAP細胞を、ゲノムのたくさんの遺伝子の遺伝子発現パターン解析をしたときに、これが混ざり物であるとか、ES細胞そのものであれば、簡単に今、それが分かるだけの研究、解析技術がありますが、そうしたものでは一切、説明が出来ないような違いがあります。それは、知られている細胞の何かと似てるわけではないので、STAP細胞として僕らが呼んでいるものは、今まで知られている細胞でないことだけは確かです。

    これは、笹井氏が2014年4月7日の記者会見で、STAP細胞について発言したものである。STAP細胞は保存がきかないので現物はないが、FI幹細胞はちゃんと保存されているので、「STAP細胞はない、ES細胞だ」というのであれば、FI幹細胞の遺伝子発現パターンを調べES細胞と同じでしたと言えばよかった。しかし、調査委員会はただゲノムを解析しているだけで、FI幹細胞の遺伝子発現パターンは調べていない。

    調査委員会が調べたFI幹細胞はCTSという細胞株でゲノム解析した結果、FI幹細胞CTSはFES1由来であるとしている。他に調べたFI幹細胞には公共データベースに登録されたChIP-seqデータとRNA-seqデータがある。公共データベースは実験中に持ち込んだ生データが登録されたもので、ChIP-seqデータは「129B6F1 Acr-GFP/CAG-GFP」であり、RNA-seqデータは「B6 Oct4-GFP+α(アルファ)」とゲノム解析されている。

    α(アルファ)の部分だが、このFI幹細胞について調査報告書は次のように書いている。

    大多数のアレルはB6ゲノム配列と一致するのに対して、5-10%程度のアレル頻度をもつSNPs箇所が多く認められる。これは大部分のRNA-seqがB6ホモ系統マウス由来の細胞から得られており、別系統由来を持った細胞から取得されたRNA-seqサンプルが少量混じっている可能性を示す(少量混じっているいると考えられるRNA-seqデータが示すSNPs分布はTS細胞のRNA-seqデータ(CD1系統)と酷似している)。

    RNA-seqでは遺伝子発現時にDNAから転写されるmRNAの配列と量を解読し、その遺伝子の発現量を定量的に調べることができる。また、DNAの塩基配列の特定の箇所には、その塩基を調べればマウスの系統が分かるSNP(一塩基多型)が存在する。遺伝子を発現するDNA領域にSNPを含んでいるものがあり、転写されたmRNAのその箇所を調べると、どのマウス系統からどのくらいの量の遺伝子が発現しているかを知ることができる。

    遠藤氏はSNPを使って、公共データベースに登録されたFI幹細胞のRNA-seqデータを解析した論文を投稿している。下の図は、遠藤氏の論文の図に解説を加えたものである。遠藤氏は対比のため、同じく公共データベースに登録されていたES細胞の解析も載せている。

    FI幹細胞の証拠

    まず、ES細胞で特異的に発現する遺伝子Sall4とKlf4であるが、一番上のSNP(ID=rs33341561)の塩基はC(シトシン)とT(チミン)があり、B6系はCで非B6系はTである。発現量としてはB6系と非B6系でそれぞれ同等(面積比がほぼ同じ)に発現している。これはES細胞が129B6F1マウスだからである。129系DNAからのmRNAとB6系DNAからのmRNAがそれぞれ同等に発現していることになる。一方、FI幹細胞の方では全てB6なので、発現しているのはB6ホモの細胞であることになる。

    TS細胞で特異的に発現する遺伝子Elf5とSox21については129B6F1のES細胞については、一つを除いて発現していない。この遺伝子はES細胞では発現しない遺伝子だと分かる。一方、FI幹細胞は、B6系と非B6系がそれぞれ発現している。ES細胞なら発現しないはずだから、CD1がB6とのF1だったという可能性が考えられる。しかし、CD1B6F1であれば、それぞれの発現量は同じになるはずだが、各発現量をみるとバラバラである。従って、これはCD1ホモとB6ホモがそれぞれ発現していることになる。すると、B6ホモの細胞はES細胞の特異的遺伝子とTS細胞の特異的遺伝子をどちらも発現していることになる。この遺伝子発現パターンはFI幹細胞に他ならないということになる。

    調査委員会が論文に書かれていたが見つからなかったとした、Oct4-GFPのB6ホモのFI幹細胞が公共データベースに登録されていたのである。

    最後に出来たFI幹細胞があったということは、STAP細胞もキメラもSTAP幹細胞もあったということになる。STAP細胞からキメラができ、その胎盤が光ったことからSTAP細胞が胎盤にも寄与することが分かった。そして、STAP幹細胞が出来ていたことから、STAP細胞でTS細胞も作れるだろうと思い、FI幹細胞を作ったということになるだろう。



    2017.03.09 Thu l STAP細胞事件 l コメント (5) トラックバック (0) l top
    明らかにはなっていないが、盗まれたと分かる(犯人によって置かれた)ES細胞は、No.117の「129B6 ICSI P4 ES1 3/17/05」である。これについて小保方氏は「全くわからない」とコメントしている。「ICSI」はIntracytoplasmic Sperm Injection(顕微授精)の略である。129メスの卵細胞にB6オスの精子を顕微授精して作ったES細胞で、4回継代し2005年3月17日に凍結した細胞株ということになるだろう。

    2005年3月8日、大田氏は「Generation of Normal Progeny by Intracytoplasmic Sperm Injection Following Grafting of Testicular Tissue from Cloned Mice That Died Postnatally」という題の論文を投稿している。使用した129マウスは129+Terで、B6は岡部マウス(Acr/CAG-GFP)である。このES細胞は大田氏が作ったもので、共著者の若山氏が保管していたES細胞だと思われる。従って、このES細胞には小保方氏が大田氏のES細胞FES1を盗んでもおかしくないという犯人のメッセージが込められていると思う。

    このES細胞があれば、小保方氏が留学生のES細胞を自分の研究室に運び込まなくてもよい。犯人は留学生のES細胞がそのまま冷凍庫に残される可能性を考え、ちゃんと手は打ってあったということだ。

    凍結日からして小保方氏のものでないのはすぐ分かるし、129B6F1のES細胞であることも分かる。調査委員会がFLSに混入したES細胞を調べるなら、「129/GFP ES」ではなくまず、これを調べるのが筋だろう。しかし、調査委員会の報告書にこの細胞株の名前はない。調べたのはラベルでは129B6F1と分からない「129/GFP ES」である。細胞株を調べるにあたって調査チームは若山研に問い合わせたはずで、その結果、「129/GFP ES」の方を調べたということになる。

    「129B6 ICSI P4 ES1 3/17/05」を調べたなら、小保方氏を捏造犯としたい犯人にとっては、かなり都合の悪いものになった。若山氏が129B6F1のES細胞を持っていたこと、それが小保方氏の箱から見つかったことが表面化する。このES細胞はSTAP細胞とは無関係なので、小保方氏が使ったわけではなく、若山氏が小保方氏に罪を着せているようにも見えてしまう。また、若山研に保存されていた2005年3月17日のES細胞の129マウスが129+Terと分かり、同時期に作られたFES1が果たして本当に129X1だったのか疑わしくなってしまう。

    このES細胞が、石川氏の刑事告発の対象から外れているのも同じ理由で、若山氏を表に出したくなかったからだろう。告発しようとする石川氏にとても、この細胞の存在を教えることはできなかったと思われる。

    STAP論文疑惑が持ち上がってなお、小保方氏の箱にこの不都合なES細胞が存在したのは小保方氏、若山氏どちらにとっても無実を証明しているものと思うが、理研有志はこのことを知って、小保方氏がES混入犯に間違いないと思っただろう。理研の内部情報がマスコミにリークされ始めたのは、このES細胞を知ったことが切っ掛けではないだろうか。同じものを見ても受け手によって受取り方が180度違ってしまうのである。

    2017.03.07 Tue l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top
    下の写真は小保方氏が盗んだとされた留学生のES細胞である。箱は縦横9列で81本のチューブが格納できるようになっている。留学生のES細胞は保存リストで明かなように、よく整理されている。2本1組で40組のチューブがあったと思われ、そのうち2本のチューブが抜き取られている。

    Li-BOX.png

    留学生のES細胞が小保方研にあったのは、犯人がES細胞を小保方研に持ち込んだからである。「ほら、ここに盗んだES細胞がありますよ」というためである。しかし、実際に犯人がそれを持ち込んだわけではない。小保方氏自身が持ち込むように仕向けただけである。

    若山研が山梨大へ移転したとき、小保方研にはまだ研究室がなく笹井研に間借りしていた。笹井研にいた小保方氏は若山研の引越しの日を知らなかった、というか小保方氏にはわざと教えていなかった。小保方氏が引越しの手伝いに来なかったという週刊誌ネタはそこから生まれているはずだ。若山研が引越した後、小保方氏は週末に冷凍庫の電気が消されることを知った。慌てて見に行くと、自分のものと留学生の箱が残っていた。そこでとりあえず、それらを笹井研に運んだのである。もし、そのとき他の人の試料が残っているか、まだ誰かが若山研に残っていたなら、小保方氏は留学生の箱を運ばなくてもよかったのである。

    小保方が引っ越しのどさくさに若山の所から盗んだ細胞が箱ごと発見されたことも公表しろよ。 丹羽のTSもたくさん出てきただろ。

    これは6月18日に投稿されたオホホポエムの一部である。2014年3月18日、CDBセンター長の指示で小保方研の試料の保全措置がとられている。保全された後は試料の確認が行われているはずで、このとき留学生の大量のES細胞が見つかっているはずである。

    しかし、当時のオホホポエムはこのことには触れていない。この時点では、残してきた留学生のES細胞が小保方研にあるかどうかを知らなかったのである。投稿が6月になったのは、理研が小保方研の試料の帰属を確認するため、山梨大に保存リストを送ったからである。そこではじめて、自分の思い通りに小保方研で保管されていることを知ったのである。オホホポエムの作者は山梨大にいたのである。

    さて、石川氏による刑事告発は留学生のES細胞78本と若山夫人のES細胞2本の盗難に対するものであった。しかし、盗まれたES細胞はそれだけではない。もちろん、犯人の仕業であるが、明らかに盗まれたと分かる別のES細胞が小保方氏の箱の中にある。そして、それは盗まれたと分かるES細胞であるにも関わらず、不思議なことに石川氏の告発の対象にはなっていないのである。


    2017.03.02 Thu l STAP細胞事件 l コメント (8) トラックバック (0) l top
    STAP論文が発表された直後、「SpermEgg Journal Club」という掲示板にそれを見た「べ」氏が驚きのコメントを寄せていた。そのコメントに「Cumulina」氏が次のように返信している。内容からしてこの人は若山氏に違いない。

    No. 2172 (2014/02/02 02:51) Cumulina
    べさま コメントをありがとうございます。核移植を一番の専門にしているのに、核移植のいらない初期化方法を発表して、自分で自分の首を絞めている論文の関係者です。今回の小保方さんの発見はすごすぎたのかレフェリーに相手にしてもらえず、ずいぶん苦労しました。いまマスコミでリケジョとか違う方向で話題になっていますが、本当にすごい研究者で膨大な実験を徹夜続きで行いました。論文ですが、サプリにたくさんのデータが乗っていますが、それもほんの一部です。たとえば細胞の樹立がなかなかできず、STAP細胞を注入したキメラ胚を使って初めて樹立に成功したデータは、当初それだけで論文にするつもりでしっかりした表と解析を行っていたのですが、途中から直接簡単に樹立できるようになり、葬り去られました。実験中にどんどん発展していったのでしょうがないですが、STAP細胞の将来がすごく楽しみです。


    下線の部分だが、なかなか樹立できなかった細胞とはSTAP幹細胞のことだと思われる。内容からするとSTAP幹細胞はキメラ胚から作られたことになる。初期胚にSTAP細胞を注入してキメラ胚を作り、その後、胚盤胞の内部細胞塊を取り出して作ったのだろう。これはクローン胚から核移植ES細胞を作る方法と同じである。

    最初のSTAP幹細胞が出来たときの状況が「あの日」に次のように書かれている。

    ある日いつも通りスフェアを渡すと、「これまではスフェアをバラバラの細胞にしてから初期胚に注入していたが、今日からはマイクロナイフで切って小さくした細胞塊を初期胚に注入してキメラマウスを作ることにした」とおっしゃった。それから10日後、若山先生からキメラができたと連絡を受けた。その上、残りの細胞をES細胞樹立用の培養液で培養したらES細胞様に増えだしたと報告された。毎日、スフェア細胞を培養し観察していた私は、細胞が増える気配すら感じたことがなかったので大変驚いた。「特殊な手技を使って作製しているから、僕がいなければなかなか再現がとれないよ。世界はなかなか追いついてこられないはず」と若山先生は笑顔で話していた。

    キメラ胚から作ったとすると、キメラが出来たと同時にSTAP幹細胞が出来たこともうなづける。「特殊な手技」とは4N(4倍体胚)キメラに関するものだろう。

    2つの2倍体胚(2N)を電気融合させると4倍体胚になる。4倍体胚由来の細胞は胎盤になるが胎仔にはならない。この性質を利用し、4倍体胚にES細胞を注入してキメラ胚を作ると、その胎仔は全てES細胞由来となる。ES細胞の代わりにSTAP細胞を注入するとSTAPキメラ胚となり、そのキメラ胚を仮親の子宮に移さず、そのまま胚盤胞の内部細胞塊を取り出して培養するとSTAP幹細胞になったということではないか。

    これを2Nキメラ胚で行うと内部細胞塊にはホストの細胞も混じってしまうので、後でソートしてSTAP幹細胞だけを取り出さなければならないが、STAP細胞にはGFP遺伝子を組み込んであるので、後で選別して取り出すことは可能だろう。このため、2Nキメラ胚ではSTAP細胞とホストの細胞を同時にES細胞化(共培養)するという話になる。事情を知らないものがこの作業をみれば、STAP幹細胞をES細胞を混ぜて作ったと思うかもしれない。

    木星通信氏が公開した小保方氏の保存リストのNo.41から51にSTAP幹細胞FLBという細胞株があり、ところどころの細胞株が4Nと書かれている。4Nは4Nキメラ胚で作られたもの、書いてないのが2Nキメラ胚で作られたSTAP幹細胞ではないだろうか。4Nでもソートをしているところをみると、4Nキメラでも100%STAP幹細胞にはならないのかも知れない。

    「途中から直接簡単に樹立できるようになり」とあるのはキメラ胚(in vivo(生体内))でなくてもSTAP細胞からin vitro (試験管内)で直接、STAP幹細胞を樹立できるようになったということだろう。同じく木星通信氏が公開した山梨大への移管書をみるとFLS-1はFLBと同じ2012年1月31日に作られている。FLBはF1 Lymphocyte(リンパ球) Blastocyst (胚盤胞)であるがFLS-1はF1 Lymphocyte Sphere(スフェア) で、「No. used STAP cell」欄は「Chimera embryos(キメラ胚)」ではなく「2 STAP/Well」で ある。FLSはSTAP細胞から直接、幹細胞化したSTAP幹細胞だったと思われる。


    2017.02.22 Wed l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top