「高知白バイ事件」の事故形態を各証人の証言から見てみよう。一審の高知地裁で、事故形態に関連して証言した証人は検察側証人一人と弁護側証人三人である。また、再審請求の中で、事故形態についての詳細な生徒の供述調書があることが明らかになっている。

    【検察側証人】
    ①白バイ隊員
    ・衝突地点の120mほど手前(高知市より)を土佐市方面に向けて走行中スクールバスを確認、同時に衝突地点より55m土佐市よりの地点に白バイを確認。スクールバスは時速10km、白バイ約60kmと目測。
    ・バスはずっと動いており、白バイもそのまま、まっすぐ進行していた。お互いがそのまま進行すれば衝突すると思った。
    ・バス、白バイはそのまま進行し、白バイはやや右へ倒しながらバスを避けようとしたが、結局衝突。

     以上の証言はあるが、この隊員は事故そのものを見ていないと思われる。目撃していれば、真っ直ぐに事故現場に駆け付けたはずである。ところが、この隊員は事故現場を素通りしている。実際に白バイを止めたのは、通り過ぎた信号機付近で、そこから降りて駆けつけている。この白バイ隊員の行動を見ていた生徒は次のように話しているという。
    ・白バイを見たときは、隊員は顔をバスの方に向けて第一車線を普通に走っていた。
    ・何があったんだろうって感じて、こちらをずっと見ながら普通に走っていた。
    ・バスの右側面が見える位置に来た時、白バイの事故であることが分かった感じで、慌てたようだった。

    【弁護側証人】
    ①事故を起こした白バイに追い越された証人
    ・白バイは、点滅信号のある交差点の旧道内で停車していたが、すぐに私の車の前に進入、白バイは第2車線を走行し始めた。私の速度は50~55kmだった。
    ・隊員は腰を上げてシートに座り直すと、加速を始めた。
    ・事故現場の手前のカーブまでは白バイは第2車線を走行していた。
    ・その時の白バイの速度は、自分の車の速度と比較し、時速100kmくらいは出ていた。その後、カーブを過ぎたときにスクールバスを確認し、事故を知った。

    ②自歩道の前でバスの後ろにいた校長
    ・バスは自歩道の手前で一旦停止し、また、車道の前でも一度停止した。その後バスは時速10kmくらいで走行し、中央分離帯付近で停止した。
    ・衝突の瞬間を見た。バスは少し右向きになっていたのでよく見えた。
    ・バスが止まっているところへ何か物体が右カーブを切りながらぶつかったという感じ。衝突を避けるようにハンドルを切ったという感じ。そのときの白バイのスピードは時速50~60キロ位。

     右カーブを切りながらぶつかったというのは後述の生徒の証言、「まっすぐにバスに向かっていた」と異なる。校長は衝突を真横からみているので、右に傾いた白バイが直進するのを、右カーブしていると錯覚したと思われる。

    ③バスの左側の前から2番目の窓際に乗車していた教員
    ・バスが中央分離帯付近で停止したが、安全確認をするためだと思う。
    ・中央分離帯付近に行くまでの間に急ブレーキが掛かった記憶はない。

     第4回公判でこの証人は「バスは止まっていた」と証言しているようだが、検察にブレーキ痕を見せられ困惑し、裁判長が証言としては「急ブレーキは掛けていない」ということでまとめたようである。

    【再審請求で明らかになった供述調書】
    ①バスの右後方に座って事故の一部始終を見ていた生徒
    ・駐車場から出たバスは一度、車道に入る前で停車。歩くより少し早いくらいの速度で国道の真ん中より数メートル手前まで進んでいった。
    ・中央側の車線に、トラックのような普通乗用車より大きな車が一台止まっていた。そして、その後方から白バイが近づいてきているのが見えた。
    ・白バイは車線上に止まっていたトラックのような大きな車の東側、中央分離帯側へと移動、そのままバスへと近づいてきた。白バイの姿を見つけた時には、バスは国道上に止まっていたが、またバスは徐々に前へと進み始めた。
    ・そしてバスが進み始めた直後、白バイが右折する車線を真っすぐバスの方へと向かってきた。そして白バイがバスと数メートルの距離まで近づいてきた時、白バイは東側にバイクを傾けた。その後、ガンという大きな音が聞こえ、バスが少し揺れた。この時バスはもう止まっていた。

     この証言によれば、バスは中央分離帯付近で2度停止したことになり、校長の証言とは矛盾するが、生徒はこの内容については、そういう証言はしていないと否定しているようである。白バイがなぜ、右折車線を走りかつ、スピードを落とさなかったかについては、右折車線を使ってトラックをすり抜けようとした以外には思い付かない。ここで、生徒の証言もとにした赤く示しているルートが第4の事故形態のルートである

    証言からみた事故形態

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    2015.01.16 Fri l 高知白バイ事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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