fc2ブログ
    公共データベースの解析により、新しい事実が明らかになってきている。公共データベースを専門家でなくても手軽に見えるようにしてくれたのはTs.Marker氏だが、阿塁未央児(@aruimiouji ‏)氏も独自に公共データベースを調べ、注目すべき解析結果をツイッターで発信してくれている。今回はその中の一つを紹介したい。それは、

    公共データベースに登録されたAcr/CAG-GFP 129B6F1のFI幹細胞には3番、8番の欠失がない

    という驚くべき事実である。

    Acr/CAG-GFPの129B6F1といえばES細胞FES1である。このFES1には3番と8番染色体に欠失があり、調査委員会がFES1、129GFP ES、FLS3、CTSを同じ細胞株とした理由はそれらが同じ欠失を持っていたからである。しかし、同じAcr/CAG-GFP 129B6F1でも3番、8番に欠失がないFI幹細胞が公共データベースに登録されていたのである。

    桂調査報告書に8番染色体の欠失は次のように書かれている。

    FI幹細胞の欠失

    また、公共データベースに登録されたChip-seqのFI幹細胞は調査委員会で以下のようにAcr/CAG-GFP 129B6F1だとされていた。

    桂調査報告書スライド

    阿塁未央児(@aruimiouji ‏)氏はこのFI幹細胞には欠失がないというのである。そこで、このChip-seq(input)のFI幹細胞をTs.Marker氏がアップしたファイルからダウンロードしてIGV(Integrative Genomics Viewer)にかけてみた。

    欠失のないFI幹細胞

    塩基配列が分かるよう、欠失があるとされた23,265,639番の直前23,265,629番から23,265,700番までを表示させている。下段のSequenceと書かれたところに塩基配列のレファレンスが表示されており、調査報告書で示された欠失直前の塩基配列と同じ塩基配列が表示されているのが分かる。

    SRR1171569.bam Coverage(FI幹細胞)と書かれたところに灰色のブロックがあるが、これが検出された塩基を表し、小さいブロック1個が1塩基で、灰色なのはリファレンスの塩基の種類と同じものが検出されていることを表している。

    つまり、このIGVは23,265,629番以降で塩基CAACCATCCATが検出され、その後リファレンス通りのATCCCCTCTTCAが検出されていることを示している(ブロックが大きくなっているのは、同じ塩基が2個カウントされたということである)。

    従って、このFI幹細胞には調査委員会がいう8番染色体の欠失がなく、ES細胞FES1由来ではないFI幹細胞となる。では、桂調査報告書でこのFI幹細胞についてはどう書かれているかというと次のとおりである。

    論文や公共データベース登録内容に基づくと、これらの解析に用いている細胞株はCD45+細胞、TS 細胞を除いて 129xB6 ヘテロ系統マウス由来であり、挿入されている GFPのタイプは CAG もしくは Oct4 である。しかし、ChIP-seq input データの解析から、FI幹細胞は Acr-GFP/CAG-GFP が挿入された 129xB6 へテロ系統、CD45+細胞は Oct4-GFP が挿入された B6 ホモ系統、STAP 細胞, STAP 幹細胞は CAG-GFP が挿入された 129xB6 へテロ系統由来であることが強く示唆された。

    欠失のことについては何も触れられていない。理由は簡単で、それを明らかにするとFES1以外の別のES細胞を探さなければいけないからである。おそらく、それは見つからなかったのであろう。仮に混入させた人間がいたとしても129/GFP ESがあるのにわざわざ別のES細胞を使う理由はないのである。

    いずれにしても、STAP細胞がES細胞の混入によって作られたという根拠はこのFI幹細胞の存在により消失していると思うのである。



    その後の阿塁未央児(@aruimiouji ‏)氏のツイッター

    STAP論文作成に使用された、「公共データベース登録されたFI-SCのデータには、もしかして欠失はなかったかも?」の件。
    取り敢えず、超アナクロニズムな「簡易判定」をした結果は……残念ながらネガティブ。……と、あっさり判定出来るほど明瞭な結果ではない。

    パネルの下半分のブロック崩しのブロックのようなのが、「ショートリード」や「ベアードリード」と呼ばれる、塩基配列読み取り技術の末端となる、DNA(PCR増幅した)やcDNAの断片に対応している。欠失がある領域では、相同染色体の一方がない状態なの、"理想的には"欠失のない場合と比べて、リードの数が凡そ半分になるだろう。その単純な原理で、簡易な判定が出来る。

    twitter001.jpg

    「CD45+」が欠失なしのSTAPやSTAP-SCと比べて約倍だったり(恐らくB6なのでF1よりも多くは出るだろう)、肝心のFI-SCがSTAPやSTAP-SCの半分よりは明らかに多い。かなりバラツキが多いので、その辺を盾にとって、「誤差の範囲!」と、粘れば粘れるかもしれない。統計的なバラツキは避けようもなく大きい。が、数えた範囲では一番少ないのは事実。しっかりとまとめるのが難しい、いくつ>かのことを既に発見していて……ここは無理に頑張らない方が得策と結論している。

    で、隠密モードにしようかと思ったのだけれど……ちょっと和モガさんに悪いことしちゃったから、その分、サーヴィス(^^A。
    但し、余計な解説はなし。と言うか……NGS解析は、俄かも俄かのチョ~~俄かな>ので、基礎をもうちょっとしっかりと叩き込まないと解説しようもないのが現状だ(爆。只、まあまあ、「見たまんま」で和モガさんなら分かるだろう。面白いでしょう?、これ。

    twitter002.jpg

    これの確率計算って、どうやったら良いんだろうね?。TSCと親が共有されているってことで、十分な証拠になら>>ないかな?。
    ま、気長に行こう。とにかく、高々IGVで見るだけでもこんなに武器になるとは思わなかった。「ChIPSeqFI-SCの欠失の件」に関しては、どちらの結論を得るにしても、決定的な証拠を見付けるのは難しい。

    一応、思うところがあって、129CAG-GFPのbamファイルを作っている。多分、結論を変える発見はないだろう。「PCRの結果」があるのは、桂報告書盲目追認の否定派にとっては強い証拠。が、とうの昔に桂調査委員会を「公正な第三者」と考えるのは難しくなっている。

    石井調査委員会の「電気泳動図に関する不正認定の、欺瞞どころではない酷い件」を、しっかり理解していれば、テラトーマの件でも、細胞増殖図の件でも、メチル化データの件でも判断を誤ることはない。揺るぎないSTAP完全ある派で、地の果てまでも行ける(爆。……と思うけれど、大体が大体からして、擁護派を気取りながらの底浅な上から目線の(少なくとも)共犯説論者が後を絶たないからね?。……それどころではない。「小保方さんも認めるべき非は認めて……」と何の証拠もないのに、妄想判決を下す。

    例えば、僕に言わせると、桂報告書の若山さんへのあのわざとらしい、あの究極どうでも良い、腹黒い人たちの腹黒い人たちによる腹黒い人たちのための「腹黒逆勧進帳!」な猿芝居とさして違いがない。

    ああ、愚痴っぽくて行けない……。

    関連記事
    スポンサーサイト




    2017.11.08 Wed l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top

    コメント

    コメントの投稿












    トラックバック

    トラックバック URL
    http://wamoga.blog.fc2.com/tb.php/157-5b30368f
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)