小保方氏が12月27日に移植したテラトーマからAcr-GFPが検出されたので、調査委員会はこのテラトーマはES細胞FES1に由来する可能性が高いとしている。

    しかし、混入偽装犯が移植したのはキメラ胚から作ったSTAP幹細胞だったと思われる。Letter論文Extended Data Fig.1aにキメラ胚の写真が掲載されているが、これと同じものである。

    letter-Exfig1.png

    調査委員会は論文ではB6GFP(CAG-GFP)×129/Svと書かれているが、129/Sv×B6GFPの間違いだとし、このキメラ胚は4Nキメラ胚で2011年11月28日に撮影されたものだという。

    STAP幹細胞FLSが作られたのは2012年1月31日から2月1日にかけてであるから、この129B6F1キメラはそれより早い。

    FLSと同じ1月31日にはSTAP幹細胞FLBも作られている。どうして同じ日に2種類のSTAP幹細胞があるかというと、作製方法が違うからである。FLBはキメラ胚から作られ、一方、FLSはSTAP細胞から直接作られた最初のSTAP幹細胞だったと思われる。これについては「SpermEgg Journal Club」に次のようなコメントがある。

    たとえば細胞の樹立がなかなかできず、STAP細胞を注入したキメラ胚を使って初めて樹立に成功したデータは、当初それだけで論文にするつもりでしっかりした表と解析を行っていたのですが、途中から直接簡単に樹立できるようになり、葬り去られました。

    論文にはB6GFP(CAG-GFP)と書かれているが、実際には岡部B6マウス(Acr/CAG-GFP)にすり替えられ、129B6F1(Acr/CAG-GFPヘテロ)のSTAP幹細胞であったろう。これはFLSと同じだから調査委員会はFES1由来といったのである。

    このキメラ胚のSTAP幹細胞を移植したなら、テラトーマにホストマウスの組織が見つかったことが説明できる。

    2013年6月、GRASに持ち込まれたFI幹細胞(FI-SC3)はOct4-GFPのFI幹細胞に別のTS細胞(CD1)が混じっているとされたが、これはおそらくこういうことであったろう。

    初期胚の細胞は胚盤胞期になると、栄養芽層と内部細胞塊の細胞集団に分かれ、内部細胞塊からES細胞を、栄養芽層からTS細胞を作ることができる。また、TS細胞はES細胞と同様、クローン胚で作ることも可能である。FI幹細胞を作るため、CD1をホスト胚にしてOct4-GFPのB6マウスのSTAP細胞でキメラ胚を作り、この栄養芽層を培養したと思われる。この結果、Oct4-GFPのSTAP細胞がFI幹細胞に、ホスト胚のCD1がTS細胞になり、これを選別せずにそのままGRASに持ち込んでしまったということだろう。

    もし、ICRマウスをホスト胚にしてAcr/CAG-GFPのSTAP細胞で4Nキメラ胚ををつくり、その内部細胞塊を培養すると、同じようにAcr/CAG-GFPのSTAP幹細胞とICRのホスト胚のES細胞が混在するはずだ。

    なぜなら、小保方氏の保存リストのFLBには全て「Sort」(選別)という文字があり、4Nと書かれたFLBも例外ではないからだ。4Nキメラは全て注入した細胞でできると言われるが、実際にはホスト胚の細胞も混じるに違いない。4Nでわざわざ「Sort」しているのはそのためだと思われる。

    このような細胞株をヌードマウスに移植するとSTAP幹細胞の部分はAcr-GFP陽性になり、ホスト胚のES細胞部分はGFP陰性となる。これがテラトーマの組織でGFP陽性細胞と陰性細胞組織がなめらかに連続している理由である。

    桂調査委員会はGFP陰性細胞が見つかったのをもって、それはホストマウスの組織だといっているはずだ。GFP陰性細胞のDNAを詳細に調べればヌードマウスの細胞ではなく、それらはICRの組織だと分かったはずである。

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    2017.04.25 Tue l STAP細胞事件 l コメント (12) トラックバック (0) l top

    コメント

    No title
    ①のパラフィンブロックもしくはホルマリン漬けは無くなっていたのでしたね。(手記206P)

    ちょっといずれか決定解がでなさそうですね。それよりも最新のブログで本質的な議論をしたいです。

    キメラはSTAP細胞から直接できていたのか否かという問題です。ここが分かれ目ですよね。物証は無いので両者の証言矛盾の検討と言うことになると思います。
    2017.05.07 Sun l 閲覧者. URL l 編集
    No title
    あなたの説明は以下の理解になるのでしょうか。
    ①若山さんが2011/11/28に4Nキメラ作製撮影
    ②若山さんがその4Nキメラをパラフィンブロック化した。
    ③若山さんが春になって胎盤も光っているらしいと言い出した(手記)。或いは誰かが胎盤も光っていると言い出したが誰だったかは忘れた(若山記者会見)。
    ④若山さんがCAG-GFP遺伝子挿入マウスのESを作ってそのキメラを作った。
    ⑤若山さんがそのキメラ胎児をパラフィンブロック化した。
    ⑥若山さんが小保方さんに①の写真と②と⑤を渡して免染検査するように命じた。
    ⑦小保方さんが記者会見で胎盤は固定器(液)の中に保存されていると証言した。
    ⑧丹羽さんがbのもととなる胎盤切片のグラススライドを顕微鏡下で見てGFPがしっかりと胎盤組織内にインテグレイトしていたと証言した。
    ⑧桂報告はこの胎盤切片の存在の確認をあいまいにしたまま胎盤ではないとし、胎盤貢献を強弁としたが不正ではないとした。
    2017.05.07 Sun l 閲覧者. URL l 編集
    No title
    僕の尋ね方が悪かったようです。
    この写真は2011/11/28に撮影された。この4Nキメラの胎盤がbの写真です。
    僕が質問しているのはこの分析は何時行われたのかというものです。手記では翌年の春です。生きている胎盤は生ものですからすぐ一旦パラフィンブロックにしてすぐに解析するか、保存して置いて後で解析するかですね。
    胎盤が光っているというのは蛍光顕微鏡で最初に見た時に分かることです。そうならすぐに解析させるでしょう。でも、小保方さんは春に解析依頼を受けたという。ならば若山さんは春に胎盤が光っていると気づいたのでしょう。ではaの写真とbの写真は対応しない。
    bのESの写真は胎盤貢献していないのですからGFPは検出されていないが、理屈からしてCAG-GFPの入っているESでないとコントロールの意味がありませんよね。
    コンタミする可能性のあるESは春ならあっていいが11月の最初のキメラ成功について問われたノフラーの質問に対してはあってはいけませんね。無かったのです。
    従って、このbの検証は春行われていて、かつ、若山さんが胎盤が光っていることに気づいたのは春の実験で顕微鏡下でそれを見た時です。
    つまり、bはaに対応する胎盤ではないということです。誰が彼女の分析したbの写真をaのものだと言ったのですか?彼女がそんなことを若山さんに聞かずに知ることが出来るはずがありませんよね。彼女は日付を知らされずに写真を渡されているんですよ。若山さんが嘘をついていることになるでしょう。嘘をついている人が犯人ではないのですか。
    2017.05.07 Sun l 閲覧者. URL l 編集
    Re: No title
    小保方氏が理研に来たのはSTAPキメラを作ってもらうためですから、その時点ではESキメラは眼中にはなかったでしょう。STAPキメラが出来たので、そこからES細胞を作りESキメラも作った。その時点でSTAPキメラとの違いに気づき、以前作ったSTAPキメラを解析したという流れでしょう。STAPキメラを作ったときには129B6F1のES細胞はなかったという話も嘘ではないことになります。
    2017.05.06 Sat l wamoga. URL l 編集
    No title
    >>
    3.胎盤と卵黄嚢の切片からGFPが検出された。GFP-positive cells (arrows) were seen only in yolk sac and placenta of the STAP cell chimaera. ということで右側のコントロールとしてのES細胞の切片にはGFPがない。

    このコントロールのESに関してはどうお考えですか?
    胎盤と卵黄嚢にCAGのGFP蛋白が検出されているのですからこのコントロールに使われたESもCAG-GFP遺伝子の組み込まれたマウスのESですよね。こちらは胎盤と卵黄嚢にGFPが入っていない。
    このコントロールの写真を撮ったのも若山さんですね。小保方さんはキメラを作ることができません。若山さんはコンタミする可能性のあるESを持っていたのですよね。ノフラーには無いと答えて置きながら。彼は嘘をついていますね。嘘をつく人が犯人ですね。
    どうですか?
    2017.05.03 Wed l 閲覧者. URL l 編集
    No title
    少なくとも2012年になって気づいたことを2012/11/28撮影のキメラ胎児写真と関連付けることはできません。仮に渡された「キメラマウスの胎盤というものをいくつか」がパラフィンブロックにされたものだったとしても、冬の結果を春言い出すと言うのは変ですね。
    「キメラマウスの胎盤というものをいくつか」渡されたのは2012年の春で、それが切り出されたそのものの生試料であったにせよ、パラフィンブロックにされていたものにせよ、彼女が分析したのはその時です。そしてどの分のキメラなのかと言うことは若山さんがデータを渡さなければ彼女には分からないことです。渡された写真データが2012/11/28撮影のキメラ胎児写真だったのではないですか。後になってあの写真は2012/11/28撮影だと言われても、笹井さんならそんなことは研究室のディスカッションテーブルの上で行うことだと怒ったでしょうね。
    写真のプロパティの確認は桂報告によって保証されているのでしょうかね。今となってはそもそも桂報告の、最低でも事実関係に関する報告は正しい、という希望的信念すら揺らいでいますけどね。
    ここが揺らぐと寄るべき根拠は何もなくなる。調査のやり直しを命じないといけないでしょうね。
    どうお考えになりますか?
    2017.05.01 Mon l 閲覧者. URL l 編集
    No title
    ともあれ、あの最初の4Nキメラ写真は2011/11/28の撮影です。そのキメラ胎児の胎盤と卵黄嚢の免疫染色を2012年の春に行ったことになるのです。手記は以下のように書いている。
    >>
    若山先生が、スフェア細胞からのキメラは胎児だけでなく胎盤も形成しているようだと報告された。ES細胞はキメラマウスを作製しても胎児の組織を形成することはできるが、胎盤の組織は形成することができないため、若山先生の発見はスフェア細胞がES細胞の多能性を超える分化能を有していることを示唆していた。スフェアからのキメラマウスの胎盤だというものをいくつか渡され、「(スフェア由来の細胞が胎盤に存在しているかを証明するために)組織学的に解析してほしい」と指示を受けた。後日、解析した胎盤内にはGFP陽性細胞が存在していたが、若山先生は私に依頼した解析結果を待つことなく、ご自身の発見から着想を得たかのようで、2012年4月頃には、TS細胞(Trophoblast Stem Cell:栄養膜幹細胞)と呼ばれる、胎盤を形成する能力のある幹細胞株を樹立する培地でスフェアを培養すれば、TS細胞様の幹細胞株も樹立できるではないかと、すでに実験を開始されていたようだった。
    2017.05.01 Mon l 閲覧者. URL l 編集
    No title
    1.マウス系統はB6GFP × 129/Sv miceです。
    母親がB6です。
    GFPに関してヘテロです。

    2.GFPの種類は (B6GFP, C57BL/6 line with cag-gfp transgene).です。
    CAG-GFP挿入遺伝子の入った系統です。

    3.胎盤と卵黄嚢の切片からGFPが検出された。GFP-positive cells (arrows) were seen only in yolk sac and placenta of the STAP cell chimaera. ということで右側のコントロールとしてのES細胞の切片にはGFPがない。

    4.卵黄嚢に関しては左側でpan-cytokeratin、laminin、DAPIの共染色結果を示し、それがthe extra-embryonic endoderm-derived epithelial cells of the yolk sac. であると結論し、左側で上皮判断された部分にGFP染色結果が現れていることを証明した。

    さて、この胎盤貢献の発見は何時のことであったか。桃子の本には<時期は不明だが、STAP細胞が胎児だけではなく、胎盤にも分化する、という「発見」もあった。>(107P)とあります。手記はこのことを2012年の春のことして書いています(100P)。小保方さんが毎日欠かさず日記をつけていたことは今婦人公論で明らかになりつつあります。この日もはっきりと分かって居ると思います。手記には時々明確な日付が出てきますが、一番知りたい日付はいつも隠されているように見えますね。
    2017.05.01 Mon l 閲覧者. URL l 編集
    No title
    あなたの掲載されたキメラ胎児の蛍光写真には白の矢印があってそれぞれ左の丸が胎盤、右が卵黄嚢とされているのでしょうか。
    胎盤が背中側にあるのは位置的に変であるのと、胎児の顎下に抱えている丸いものが胎盤ではないかという疑念も沸きますが、これは切り出して並べたものでしょうから位置関係が自然のままか否かは確たることは言えないでしょうし、ど素人の私としては顎下の丸が何かも分かりません。
    ただ、それはさて置いてもその注は以下のもので重大な事実が書かれている。

    a, Chimaeric mouse with STAP cells derived from CD45+ cells of B6GFP × 129/Sv mice (B6GFP, C57BL/6 line with cag-gfp transgene). Arrows indicate a placenta and a yolk sac. b, Cross-sections of yolk sac (top) and placenta (bottom). GFP-positive cells (arrows) were seen only in yolk sac and placenta of the STAP cell chimaera. Scale bars, 50 μm. c, Co-immunostaining showed that these GFP-positive cells (right) were found in the extra-embryonic endoderm-derived epithelial cells (pan-cytokeratin+ and overlying laminin+ basement membrane; left) of the yolk sac. Scale bar, 10 μm.
    2017.05.01 Mon l 閲覧者. URL l 編集
    No title
    3は若山さんほどの人が行うこととは思えません。これはそのまま論文化すると単なるねつ造です。彼が彼女を客員に迎え入れたのはこんなねつ造実験を目指していたわけではないでしょう。彼女の細胞を面白いと思ったわけです。彼女の細胞の作り方はハーバードに留学したときの約定で発見の帰属がハーバードであるとする文書に同意署名しているはずです。博論の手伝いもハーバードとの共同研究約定になっている。当時彼女は東京女子医大の学生でしたが、若山さんは研修生受け入れには出来なかった。細胞の帰属がハーバードの権利だからですね。小島さんがヴァカンティ氏の代理で共同研究を申し込んでいる。4月以降は彼女はハーバードの帰属になっていたので、また共同研究契約の約定を改定しているはずなのでその協約書の確認が必要ですね。誰か取り寄せて検討するとどうしてこういう流れになっていったかの原因が分かると思いますがね。
    小保方さんにしても既存のESを使ってねつ造するなんて余りに芸がない。査読者からESコンタミだ。しっかり管理しろと怒られているのに、まだ論文を改定しようとしている。あり得ないですね。彼女は出来ていると信じているんですね。
    1か4なんですが、1は少なくとも理研の圧力と言うことはあり得ません。笹井さんがハーバード、東京女子医大との三者で特許申請することを妥結させていて本物なのに理研がそれを取り消すなんてありえません。様々な利害対立があったことは理解可能ですがどうですかね。STAPの捏造論文問題とは独立した別の要素ではないですかね。
    ということで4だと思ってますが、それはそれなりにまだ謎は多いですよね。分かってないことが多すぎる。警察でも入って強制捜査すれば簡単に解決する問題でしょうがね。その意味では告発は受理されて欲しいと思っています。
    2017.04.29 Sat l 閲覧者. URL l 編集
    No title
    難しいところに来ていますね。現在あげられている可能的仮説は以下でしょうか。

    1.小保方さんが酸浴STAP細胞を若山さんに渡し、若山さんが論文通りナイフ切り分け移植でキメラと幹細胞を作ったが、若山さんは、何者かの圧力により、太田受精卵ESと学生のGOFntESによるねつ造ということにさせられた。(ooboeさんとパートナー氏及び根本さん説?)
    2.小保方さんが太田受精卵ESと学生のGOFntESを酸浴STAP細胞と偽って渡し、若山さんにキメラと幹細胞をねつ造させた。(桂報告が匂わしている説?)
    3.若山さんが小保方さんの渡した酸浴STAP細胞を廃棄し、太田受精卵ESと学生のGOFntESを使ってキメラと幹細胞をねつ造した。(2への反論説)
    4.若山さんが、酸浴STAP細胞からはスタンダードなやり方ではキメラと幹細胞が出来ないことを知り、研究をその核を使ったクローン化実験に切り替えたが、彼女との共同研究を継続したいがために、その真実の詳細を知らせなかったことが遠因となって2年後の論文で捏造記述が確定してしまった。(現在検討中の説)
    2017.04.29 Sat l 閲覧者. URL l 編集
    No title
    129xB6GFPだと言ったのは若山さんです。B6CAG-GFPマウスを岡部B6マウスにすり替えた犯人が居たのか、最初から岡部B6マウスだったが、若山さんがアクロシン共挿入であるということまで言ってなかっただけなのか。
    1.論文どうりの作り方でキメラができた。
    2.一旦クローン胚からntESを作ってからキメラと幹細胞を作った。
    分かれ道ですね。
    2017.04.25 Tue l 閲覧者. URL l 編集

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