さて、「キメラマウスの写真の取り違い」について桂調査委員会の調査結果と評価は以下のものだった。

    (調査結果)
    Letter Fig.1a が同 Fig.1b と同様に STAP 細胞由来のキメラである点は、蛍光顕微鏡付属のハードディスクに残存する写真(2012 年 7 月 17 日撮影)と若山氏のメモにより確認した。
    (評価)
    誤りであることは確実である。STAP 細胞の胎盤への寄与は Letter の論点として重要であり、研究の価値を高めるために強引に胎盤と断定した可能性があるが、悪意であったと認定することはできず、調査により得られた証拠に基づき認定する限り、研究不正とは認められない。


    調査委員会が言っているのは「1aのESキメラが1bのSTAPキメラの写真と同じ日に撮られているので、どちらもSTAP細胞由来で納得」ということだろう。しかし、ESキメラとSTAPキメラの対照実験なら、2つのキメラが同時に作られるだろうことは容易に想像できる。

    キメラを作るには細胞を注入する胚を提供するマウスと注入して出来たキメラ胚を育てる仮親マウスを用意しなければならない。しかも、注入と仮親への移植にはタイミングがあり、それぞれのマウスの状態を厳密に調整しなければならない。また、STAP細胞はES細胞と違って保存が出来ない。結局、STAP細胞を作るマウスとドナーマウスと仮親マウスの三種類のマウスの状態を調整する必要がある。一方、ES細胞は保存できるのでESキメラをつくるなら、STAPキメラ作成用のドナーマウスと仮親マウスを余分に作っておき、STAP細胞の注入と同じタイミングでそれにES細胞を注入すればよい。従って、ESキメラとSTAPキメラは同じ日に出来てくるのだ。

    2012年7月17日にSTAPキメラの写真が撮られたとすればSTAPキメラのためにマウスを交配したのは6月のはじめである。若山研が山梨大に細胞を移した移管書にはコントロールES細胞として5月25日に作成した129B6F1GFP-1というES細胞が載っている。レターのFig.1の写真のESキメラはこのES細胞で作られ、一週間後、その同じ種類のマウスを掛け合わせて出来たSTAP細胞からSTAPキメラが出来ているはずである。

    実験の流れ

    以上のように同じ日にとられた写真だから、どちらもSTAP細胞由来であるということにはならないし、また、いつ書かれたか分からないメモも同じSTAP細胞由来である根拠にはならないだろう。結局、調査委員会は何の根拠もなく「誤りであることは確実である」と言っているに過ぎない。

    そして、「研究の価値を高めるために強引に胎盤と断定した可能性がある・・・」と書いているが、あの薄く光る胎盤様のものが胎盤でないなら一体、何なのか教えてほしいものである。結局、「悪意であったと認定することはできず、・・・研究不正とは認められない。」としたが、悪意の認定以前に「強引に胎盤と認定した何か」が何ものでもなく「胎盤」そのものだから、そもそも研究不正と認定しようがないのである。

    調査委員会の評価は支離滅裂である。それもこれも、「STAP細胞はES細胞由来である」という間違った結論を引きずっているからである。冒頭の「誤りであることは確実である。」というのは、調査委員会が説明できない不安を払拭するための自分自身に言い聞かせている言葉なのだろう。

    キメラマウスの写真に取り違いはない。若山氏には嘘をついてまでSTAP論文を撤回させたかった深い事情があったのだ。

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    2017.01.15 Sun l STAP細胞事件 l コメント (1) トラックバック (0) l top

    コメント

    No title
    Fig.1cによるとES細胞由来キメラマウス50、STAP細胞由来キメラマウス10と有ります。
    これは若山さんの担当です。
    これを公表しないことが、桂調査委員会の欺瞞の象徴です。
    2017.01.16 Mon l LL. URL l 編集

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