盗んだES細胞でSTAP細胞を捏造したという話が、神戸地検によって「事件の発生自体が疑わしい事案であり、犯罪の嫌疑が不十分だった」と完全否定されたので、8番染色体のトリソミーの話についても書いておくことにした。

    「STAP細胞」が「ES細胞」ではないかと世間に広く知られるようになったものに、8番染色体のトリソミーの指摘があった。これは、STAP論文に関して小保方氏が公開したデータを調査した横浜理研の遠藤氏が指摘したもので、2014年6月11日の日経サイエンスに、その内容が分かりやすく解説されている。

              日経サイエンスの記事(2014年6月11日)
    8番トリソミー

    ①STAP細胞の元になったのは「B6」系統と「129」系統のマウスを掛け合わせた雑種マウスの脾臓の細胞である。
    ②このため、STAP細胞はB6系と129系の2本の染色体を持ち、タンパク質を作る遺伝子が働くときは両系統のmRNAが働く。
    ③片方のみ働く場合やmRNAの量が両者で不均衡な場合もあるが、全体を調べれば、B6系と129系は50%ずつであると予想される。
    ④小保方氏はSTAP細胞のmRNAデータを公開しており、mRNA上にあるSNPを調べるとB6系か129系か分かる。
    ⑤その結果、1番から19番染色体上にあるSNPは8番を除いて、B6系と129系、それぞれ50%ずつであったが、8番染色体はB6系が33%しかなかった。
    ⑥この理由は129系が2本、B6系が1本とトリソミーになっているためと思われる。129系:B6系=2:1でB6系が33%になる。
    ⑦8番染色体のトリソミーはES細胞を長期培養したとき起きる染色体異常としてよく知られている。
    ⑧8番染色体にトリソミーがあると胎児は生まれてこないので、この登録されたデータは仔マウスの脾臓から作られたSTAP細胞ではなく、ES細胞である。

    この指摘は論文としてまとめられ、2014年9月21日に「Genes to Cells」に投稿されている。しかし、その論文のデータを見るかぎり、それをもってトリソミーとは言えないと思う。次回、その理由について書いてみたい。

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    2016.08.07 Sun l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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