小保方氏の告白本「あの日」の内容を参考に、書き残したテーマについて書いてみようと思う。「あの日」には、小保方研で保管していたサンプルの一部がなくなっていたことが書かれている。

    「細胞サンプルは3月の時点ですでに証拠保全され理研によって管理されていたが、細胞以外のキメラマウスやテラトーマなどのサンプルは閉鎖されていた小保方研に残されたままだった。竹市先生に『研究室に残っているサンプルを調査のために提出させてください』と申し出た。」

    「しかし、この際とても不可解な出来事に気づく。若山研にいた頃に作製され、大切に箱に保存していたサンプルのいくつかが、箱の中から消えていたのだ。特に重要な、ほぼすべての組織が初期胚に注入した細胞から形成されるSTAP細胞からの4Nキメラと呼ばれるサンプルのホルマリン漬け(①)などがなくなっていた。」

    「STAP細胞からのテラトーマの実験も複数回行われていたが、それらのサンプル(②)もなくなっていた。後の9月3日に設立された第二次調査委員会によって実際に解析されたキメラマウスは、若山先生から「成功したキメラ」(③)として渡され、DNA抽出が若山研の他のスタッフによって行われ、DNAとして保存されていたものだった。テラトーマに関しては、私がアメリカ出張の間にできてきたサンプル(④)だった。そして調査の結果それらは、すべて既存のES細胞由来だったと結論つけられた。」


    ①はSTAP細胞の存在を示す決定的な証拠と言われた「光る胎盤」のことであろう。ES細胞では胎盤には寄与しないので「光る胎盤」はSTAP細胞はES細胞ではないという明らかな証拠となるものである。2014年4月9日の会見で、この「光る胎盤」について聞かれた小保方氏は、「保定器の中に保存してあります」と答えていた。


    小保方氏記者会見(2014年4月9日)-質疑応答は1:45:20から

    ところが、12月26日の調査委員会の報告で、この「光る胎盤」について聞かれた桂調査委員長の回答は奥歯に物が挟まったように実にあいまいであった。おそらく、なくなっていたのだろうと思っていたが、案の定である。杜撰な管理を批判されるのを恐れた理研が、この重要なサンプルが「なくなっていたので、解析できませんでした。」と言わないよう、調査委員会の口を封じていたのだ。


    調査委員会記者会見(2014年12月26日)-質疑応答は43:30から

    小保方研からなくなっているのはSTAP細胞から直接作られたサンプルである。STAP細胞はその都度、仔マウスから作られるので、それぞれ別の遺伝子を持つ。そのため、サンプルのDNAを調べられると混入したとされるES細胞とは異なることが分かり、ES細胞混入の根拠を失ってしまう。また、サンプルにはキメラで「光る胎盤」が出来たように既存のES細胞には見られない特徴が見つかるかも知れない。細胞株なら解析時にすり替えも出来るが、キメラやテラトーマはすり替えが出来ない。このため、犯人はサンプルそのものを消す必要があったのである。従って、小保方研に残されていたサンプルは、犯人にとっては問題のないサンプルだったということができる。

    また、小保方氏は若山研が理研CDBから山梨大に実験室を移したときの状況について、次のように書いている。

    「若山研の凍結細胞が保存されていた冷凍庫は誰でも自由に出入りできる場所に置かれ、施錠などの管理はされていなかったが、引っ越しの際、細胞の保存がされていた冷凍庫の整理は若山先生によって行われていた。」

    「その後若山先生からメールでサンプルボックスを移動させるように指示が出され、私は自分のサンプルが置かれていた冷凍庫の引き出しに残されていたサンプルボックスをそのまま理研で引き継いだが、その前に若山先生は私の名前が書かれたサンプルボックスを開け、中身の一部を私には相談なく抜き取り山梨大に持ち出していたようだ。このようにして私に残されたサンプルボックスの中の細胞は、引っ越し時に若山先生によって選別されていたことを知る。」


    小保方氏がこのように書いたのは、2014年3月25日、理研に保存されているはずの凍結細胞サンプルが山梨大で解析され、小保方氏に渡したマウスの系統と違うと報道されたからである。しかし、若山氏が小保方氏のサンプルボックスを選別し持ち出すことはなかっただろうと思う。小保方氏は自分ではSTAP幹細胞を作れなかったと書いている。STAP幹細胞等を作ったのは若山氏であり、小保方氏が保管していた細胞株は株分けして若山氏自身も所持しており、それを持ち出したというのが実際のところではないだろうか。

    しかし、小保方氏が自分のサンプルボックスが選別されたと考えたとおり、犯人はこのとき、小保方氏が保管していたSTAP細胞の存在を示す細胞株(STAP幹細胞含む)を抜き取り、代わりに、混入したとされるES細胞、129/GFP ESを置いているはずである。2014年4月9日、小保方氏が保定器の中にあるといった「光る胎盤」も、そのとき、抜き取られていたのだろうと思う。

    関連記事
    スポンサーサイト
    2016.02.03 Wed l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top

    コメント

    コメントの投稿












    トラックバック

    トラックバック URL
    http://wamoga.blog.fc2.com/tb.php/107-f33044f9
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)