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     以上の論理を用いて、STAP 幹細胞や FI 幹細胞が ES 細胞に由来すると結論することができた。この場合、STAP 幹細胞や FI 幹細胞の作製時に ES 細胞が混入した可能性、ES 細胞作製時に STAP 幹細胞や FI 幹細胞が混入した可能性、の 2 つの可能性が考えられるが、今回の場合はいずれも ES 細胞の方が STAP 幹細胞や FI 幹細胞より早い時期に樹立されている。よって、STAP 幹細胞や FI 幹細胞の作製時に ES 細胞が混入したと認められる。

    これは調査報告書の一節(P13)である。この前段にはES細胞とSTAP幹細胞、FI幹細胞が全ゲノム解析により、同一の培養細胞由来であることが書かれている。

    気が付きにくいが、調査委員会のこの論理は完全に間違っている。

    ES細胞の作製時期と STAP 幹細胞や FI 幹細胞の作製時期を問題にしているが、これはES細胞から作られたとするときだけ意味をもつ。すなわち、STAP細胞がないことを前提として、STAP幹細胞やFI幹細胞が作られたとするなら、ES細胞の作製時期がSTAP 幹細胞や FI 幹細胞より早くなければならないのである。

    一方、ES 細胞に STAP 幹細胞や FI 幹細胞が混入したとするときは、STAP細胞の存在を前提にしているから、ES細胞の作製時期を云々することには意味がない。つまり、ES細胞が先に作られていてもいいし、後でもいいのである。

    従って、以下の可能性(仮説)はそれぞれ成り立つ。

    ①ES細胞が混入してSTAP幹細胞、FI幹細胞が作られた。
    ②STAP幹細胞、FI幹細胞がES細胞に混入した。
     (実際にはES細胞はSTAP幹細胞にすり替えられた)

    調査委員会は②の可能性がないとしたため、①「ES細胞の混入」を選択した。しかし、この仮説は「ES細胞の混入」と言いながら、混入の実態を一切、説明出来ないのである。

    誰が混入させたか分かりません、どのタイミングで混入させたか分かりません、どのような手を使って混入させたかも分かりません、でも、「ES細胞の混入」です。このようなおよそ仮説とは呼べない仮説が科学者の間で広く認められ、しかも誰一人としてそのおかしさに気づかないというのは、生命科学界のブラックジョークという他ないのである。

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    2018.10.24 Wed l STAP細胞事件 l コメント (2) トラックバック (0) l top
    さて、「ES細胞FES1の再調査についての要望書(再)」に対するコンプライアンス本部の回答は次の通りであった。

    要望書再回答

    要望書の提出先は理研の「研究コンプライアンス本部」だったので、半分、期待していたのだが、どうやら名前だけの部署だったようだ。

    最初の要望書には、ES細胞FES1のオリジナルがあるのに、調査対象者側から提出されたFES1を漫然と調査しているのはコンプライアンス上問題がある、また、ES細胞作製時に書かれた論文の129のマウス系統は129X1ではなく129+Terであるから、FES1が129X1と解析されたのは本当のFES1ではない疑いがあると書いた。

    これに対し、コンプライアンス本部は調査は適切だったと回答してきた。そこで、「STAP細胞事件」の全容を書いた資料を送って、再度、調査を要求した。そこには「ES細胞の混入」事件ではなく、「ES細胞の混入偽装」事件だと書いておいた。

    それでも、コンプライアンス本部の回答は調査をするつもりはないである。これはFES1を再調査することの重大さがよく分かっているからである。

    「ES細胞FES1」は端っこに位置するドミノ牌である。この牌が倒れれば、

    まず、山梨大の若山研が倒れる。ES細胞FES1のラベルで何故、別の細胞株を送ったのかを問われることになる。この問いは「STAP細胞事件」の真相を明らかにするだろう。

    次に桂調査委員会が倒れる。「ES細胞の混入」とした根拠を失い、結論に至るまでの論理の不備が明らかになる。遺伝子発現解析を行っていないこと等、調査の不備もあらためて問題視されるだろう。

    予備調査を行った理研が倒れる。作者不詳でES細胞かどうかも分からない129/GFP ESを調べ、同じES細胞があったと騒いだこと、また、オリジナルのFES1があるにも関わらず、調査対象者から提供されたFES1を漫然と調査した罪は大きい。それにSTAP特許を放棄したことで国民の利益が棄損されてしまった問題もある。現在、VCELL社のSTAP特許の審査が滞っているが、間違った結論を出した責任を問われ、訴訟を起こされる可能性もあるだろう。

    その他、改革委員会、早稲田大学、分子生物学会、石井調査委員会、マスコミ等、「STAP細胞事件」に関わった団体、個人全てに波及範囲は広がっていくだろう。

    それにしても理研に危機管理部門はないのだろうか。調査は適切だったと突っぱねていれば、いずれ諦めるだろうと思っているようで、危機管理部門があればそのような安易な対応はとらなかったのではないかと思う。理研にとっては、自らFES1を取り寄せ、その結果を進んで公表するのが一番、ダメージが少ないはずである。理研に再調査を要請したことをブログに書かなかったのは、そのような対応を理研に望んでいたからである。しかし、コンプライアンス本部は二度の要請を受けながら、大田氏への電話確認さえしなかった。この理研コンプライアンス本部の不誠実な対応をここにしっかりと記して、予定通り次のステップへ進むことにした。

    2018.10.22 Mon l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top
    理研の研究コンプライアンス本部の回答は次の通りであった。

    コンプラ回答-1

    提起した疑惑にはあえて触れないような回答だったので、①、②の確認のため電話をしてみた。

    ①「ES細胞FES1の再調査が難しいのであれば、129は129X1なのかを電話で問い合わせてほしい。」

    これについての返答は、「大田先生に聞くか聞かないかを含め検討した結果、そういう回答になっています。」だった。電話で問い合わせするくらい、すぐ出来ることだが、要望書の内容を読んで事の重要性を理解したコンプライアンス本部としては、それは藪をつつく行為だと判断したというわけだろう。

    ②「遺伝子発現解析の結果が調査報告書では書かれていないが、遺伝子発現解析はやったのか、やらなかったのか?」

    「それについてはお答えしない。」との回答だった。遺伝子発現解析をやったと答えるとその結果を何故、載せないのかという批判になり、一方、やらなかったというなら、調査が不十分と批判される。コンプライアンス本部としてはこう答えるしかないのである。

    これらの回答はある程度、想定していていたので、今度は事件の全容を記載した「『STAP細胞事件』の真相」を作成して再度、要望書を送った。参考に「『STAP細胞事件』の真相」の目次を載せておいた。このブログを以前から見ている人には、どういう構成で書かれたものかある程度、分かるのではないかと思う。

                                  2018年9月18 日
    研究コンプライアンス本部 担当者 様

              「ES細胞FES1の再調査についての要望書(再)」

    2018年6月30日付けで「ES細胞FES1の再調査についての要望書」を提出しましたが、研究コンプライアンス本部の回答(7月31日付け)は、「STAP細胞に関する研究論文の疑義については、適切に調査したものと認識しており、ご要望の再調査を行う考えはありません」とのことでした。
    十分な説明もなく納得いきかねる回答でしたので、詳細な下記資料を添付の上、再度、調査を要望しますので、検討頂きたくよろしくお願い致します。

    なお、今回は理由は不要ですので、再調査する/しないについて10月1日(月)までに返信して頂きますようお願いします。

     【添付資料】
    ・「STAP細胞事件」の真相(2018年9月18日 理研研究コンプライアンス本部送付版)・・・1部


    「STAP細胞事件」の真相

    2018.10.17 Wed l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top
    ES細胞FES1の再調査を要請したのは、京大にFES1のオリジナルがあるからである。これはすり替えようがない。従って、これを調べればSTAP幹細胞とすり替わっているかどうか分かるからである。

    調査細胞株

    送付した要望書は1ページ半、添付資料を含め5ページで、送り先は神戸理研ではなく、本部のある和光理研へ送った。本部にはコンプライアンス室があるだろうと思ったからである。

                                 2018年6月30 日
    コンプライアンス担当者 様

             「ES細胞FES1の再調査についての要望書」

    STAP細胞論文に関する調査を行った桂調査委員会は「STAP幹細胞、FI幹細胞はES細胞の混入である」としました。しかし、ゲノムの比較といった視点を離れ俯瞰すれば、そのような結論は大変、奇妙なものに思えます。誰が混入させたのか分からず、どのタイミングでどのように混入させたのかも明らかに出来ていないのに、「ES細胞の混入」というのですから。

    このような実態にそぐわない結論になった理由は明らかです。調査委員会が調べて分かったのは、STAP関連細胞と同じ特徴のゲノムを持つESとラベルされたサンプルがあったというだけです(資料①)。そのサンプルが実際にES細胞であったかどうかを調査委員会は確かめていません。そのため、結論に至る論理には飛躍があり、その調査結果で「ES細胞の混入」とは言えないことになります。

    実際、調査委員会の結論に大きく影響した129/GFP ESは予備調査でESとラベルされ、ストックが2本あることから調査されたサンプルでした。一方、小保方研の保存サンプル一覧にある「Obokata RNA」ボックスの備考欄には「FLS→129ESと書いていた」との記述があり(資料②)、ESと書かれていることが必ずしもES細胞を指すわけではないことが分かります。129/GFP ESがFLSであったのなら、両サンプルが同じゲノムの特徴を持っていてもおかしくないことになります。

    混入したとされるES細胞はFES1、GOF-ES、129B6F1ES1の三種類で唯一、ES細胞かどうかを確かめなくてよいサンプルがありました。受精卵ES細胞FES1です。これは若山研に在籍していた大田氏が作成し、小保方氏が理研に来る1年前に京大に引き上げられていたため、ES細胞であるという証拠を持ったサンプルでした。

    しかし、FES1は一旦、山梨大に送られており(資料③)、調査委員会が調査したのはその山梨大からFES1として送られてきたサンプルです(資料④)。つまり、その時点でFES1は同一性を失いES細胞としての証拠能力を失ったことになります。

    また、この調査されたFES1には不審な点があります。FES1は2005年12月に凍結されていますが、当時、大田氏が論文で使ったとしていた129マウスは129+Terです(資料⑤)。同時期に凍結されたntESG1も129+Terですので、調査委員会で129X1と解析されているのは不自然で、これは大田氏作製のES細胞ではなく、FLSそのものだった可能性があります。

    ES細胞として解析したFES1は大田氏作製のES細胞だったのか、この疑義をそのままにしておくことは、理研にとってコンプライアンス上の重大な問題となります。すみやかに京大にあるFES1を再調査され、FES1の129マウスが129X1なのか129+Terなのか、その解析結果を公表されるよう要望します。

    もし、再調査の必要がないと判断されましたら、その理由を明示し、7月末までに返信して頂きますようお願いします。



    2018.10.10 Wed l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top
    このブログで最初に「STAP細胞事件」を取り上げたのは、2015年7月22日である。既にもう3年以上経過した。

    STAP論文には一週齢の仔マウスから体細胞を取り出して酸浴させると、ES細胞の2分の1程度の大きさになり、その細胞からキメラやテラトーマが出来たことが書かれている。刺激により細胞は初期化され多能性をもったことから、その細胞をSTAP細胞と名付けた。STAP細胞は増殖しないですぐ死滅するが、そこからさらにES細胞と同等の増殖能を持ったSTAP幹細胞、FI幹細胞が出来たとされた。

    ところが、STAP論文の一部に疑惑が浮上し、論文不正を調べる調査委員会が設置された。そして調べた結果、調査委員会は論文のようなSTAP細胞はなかったとし、生成物の全てはES細胞の混入によるものだと結論付けた。

    STAP細胞実験-4

    その理由はSTAP細胞が一週齢の仔マウスから作られていたからである。仔マウスは同じ親から生まれてきても、それぞれ固有の遺伝子をもつ。しかし、それと同一の遺伝子を持つES細胞が見つかったのである。このため、STAP関連細胞は仔マウスから作られたのではなく、同じ遺伝子を持つES細胞から作られたと調査委員会は判断したのである。

    しかし、この結論には大いに問題があった。ES細胞の混入だとすると説明が付かない状況証拠があまりにも多いからである。例えば、STAP細胞の電子顕微鏡写真はES細胞の2分の1の大きさしかない。また、酸浴後、最初は光らない細胞が次第に緑色に光り出し細胞隗を形成するライブセルイメージングの映像である。ES細胞の混入なら最初から光るはずで、それらはES細胞の混入では全く説明がつかないのである。このため、結論に納得できない人々が未だに多く存在し、「STAP細胞事件」に対する関心も一向に収束しないのである。

    生成物とES細胞が同一の遺伝子を持つという調査結果は認めざるを得ない。しかし、調査委員会の結論はどこかがおかしい。辻褄が合わないのである。では実際のところ、何が起きていたかというと「STAP細胞がES細胞にすり替わっていた」のではなく、「ES細胞がSTAP幹細胞にすり替わっていた」のである。

    STAP細胞実験-5

    ES細胞の混入では説明できない状況証拠はSTAP細胞が存在したからである。そして、ES細胞がSTAP幹細胞とすり替わっていれば、調査委員会がこれらを調べれば、ES細胞の混入だと解釈することになる。2つの相反する事象はこうして矛盾なく共存できるのである。STAP細胞はあり、かつ、STAP幹細胞、FI幹細胞もあったということになる。

    最近になり、パートナー氏の開示請求した資料が公開された。一つは京大の大田氏から山梨大の若山研に細胞サンプルが送られていたことを示すヤマト便の送り状、もう一つは、ES細胞FES1を山梨大から受け取ったことを示す理研の文書である。以前から「STAP細胞事件」とは「混入偽装事件」であると言ってきたが、これにより最後のピースが埋まった。

    そこで、これ以上の考察は終わりにし、行動を起こすことにした。2018年6月30日、理研のコンプライアンス室にES細胞FES1を再調査するよう要望書を提出したのである。

    2018.10.06 Sat l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top