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    STAP幹細胞FLSの由来とされたES細胞は若山研に在籍していた大田氏が作ったもので、小保方氏が着任する1年前に京大へ転出した際、全て引き上げたというES細胞だった。そしてそれは、若山研が山梨大に移転した後、理研の小保方氏の保管BOXから見つかっている。小保方氏がテラトーマの実験のため、ヌードマウスにOct4-GFPのSTAP細胞を移植して渡米すると、その組織から全く異なるAcr-GFPが検出された。また、小保方氏が2014年4月の会見で保管していると答えたSTAP細胞の存在を証明する「光る胎盤」は、12月の調査委員会の会見時にはなくなっていた。「STAP細胞事件」はとにかく不可解である。

    この不可解さは、真犯人が小保方氏がES細胞を混入させSTAP細胞を捏造したと偽装したことにある。偽装に無理が伴うからそのほころびが不可解さになって現れる。その偽装の痕跡を見つけ、混入偽装犯がいることとその手口をかれこれ2年近く書いてきた。情報公開請求によって次第に明らかになってきた事実は全て「混入偽装」を裏付けるもので今や、「STAP細胞事件」が「混入偽装事件」であったことは疑いようがない。その「混入偽装」で最後に残ったのが、複数のSTAP関連試料が同じ染色体の構造変異を持っているという謎だった。

    STAP細胞がES細胞由来とされた理由のひとつは別の細胞株や組織から同じ染色体異常が見つかったことである。STAP細胞はそれぞれ仔マウスから作られるので、別々のマウスから得られた細胞株や組織が偶然、同じ染色体異常を持つのは考えにくい。しかし、それらがもともと染色体異常を持ったES細胞なら、そのことが説明できるからである。

    2011年12月27日に移植されたテラトーマと2012年1月31日から2月2日にかけて作られたSTAP幹細胞FLS、2012年5月25日と7月9日に作られたFI幹細胞CTSは第3染色体と第8染色体に同じ欠失がある。CTSについてはFLSとすり替えられている可能性はあるが、テラトーマの組織はすり替えが出来ないので、別の組織に同じ染色体異常があるのは間違いない。

    この謎を解くヒントが学とみ子氏のブログ「2014年のヤフー知恵袋には、小保方氏が受け取ったマウスはクローンマウスヨ!と書いてあるのです。」に書かれてあった。以前、FLSの親マウスはクローンだと書いたが、そうではなく、小保方氏に渡された仔マウスがクローンマウスで、FLSはクローンマウスから作られたSTAP幹細胞だったというわけである。クローンマウスなら同じ遺伝子をもつので、それでSTAP細胞がつくられたとするとそれらの関連試料から同じDNAが検出されることになる。

    これを裏付ける内容が「あの日」に次のように書かれている。

    実際に独立して再現実験に成功した当時の学生さんは、「幹細胞株化された細胞からクローンマウスを作製する」という、若山先生に割り振られた研究テーマをもとに私とは別の論文の執筆を開始していた。 (中略) こうして、この学生さんによって執筆された論文は実際に投稿されたが、騒動になったのち静かに取り下げられている。

    クローンマウスは卵子の核を取り除き、かわりにドナーとなる体細胞の核を入れて受精卵もどきにし、疑似妊娠させた仮親に移植して産ませるもので、仔マウスはドナー細胞と同じ遺伝子を持って産まれてくる。取り下げられた論文とは、取り除いた核にドナーとしてSTAP幹細胞の核を使ったということであろう。

    当時の若山研ではSTAP細胞実験と平行してクローンマウスの実験が行われていた。この実験は長年継続されており、2012年の動物実験計画承認計画書(継続)では卵子提供用に4500匹のB6D2F1マウスと仮親用に2000匹のICRマウスが申請されている。

    この実験は2013年3月7日に「Successful Serial Recloning in the Mouse over Multiple Generations」の題で論文が公開されており、Fig.1Aには1回の実験で生まれたクローンマウスの写真があり、Fig.1BにはトリコスタチンA(TSA)を使いクローニング効率も10%程度あることが書かれている。

    クローンマウスの仔

    テラトーマの解析結果にみる「混入偽装」の証拠」に小保方氏が2011年12月27日に移植したSTAP細胞に混入偽装犯がSTAP幹細胞を上乗せしたと書いたが、このSTAP幹細胞が第3染色体と第8染色体に欠失をもっていたとすると、この細胞の核を使ってクローンマウスを作り小保方氏に渡せば、そこから作られたSTAP幹細胞は同じ欠失を持つことになる。

    FLSが作られたのは2012年1月31日~2月2日で、12月27日には既にSTAP幹細胞が出来ていたとすると、FLSがクローンマウスで作られていてもおかしくない。FLS1~8が全てオスだったのもクローンマウスだったからということになる。

    また、FLSと同じ時期にキメラ胚からつくられたSTAP幹細胞FLBは細胞株のソート(選別)が行われている。これは、STAP幹細胞の核を取り出す際にホスト胚のES細胞が混ざっていることを見つけ、ソートが必要なことを知ったからだろうと思う。

    しかし、実際のところクローンマウスはSTAP幹細胞と完全に同じ遺伝子を持った個体にはならない。ミトコンドリアは元の卵子のミトコンドリアのままである。このため、調査委員会が調査したテラトーマの組織とFLSのミトコンドリアを調べればその違いが分かったはずである。

    テラトーマに注入されたSTAP幹細胞は市販のメスの129X1マウスとオスの岡部B6マウスを掛け合わせた仔マウスから作られている。このとき、ミトコンドリアは母方のミトコンドリアが受け継がれるので129になる。それに対し、FLSはホストの卵子がB6D2F1でB6D2F1は母方がB6なのでミトコンドリアはB6になるのである。

    混入したとされたES細胞129/GFP ESをFLS3を培養して作ったのは、このミトコンドリアの違いを考慮したからだろう。

    桂調査委員会の調査で分かったのは、「STAP関連細胞株と酷似のES細胞がある」というだけである。これは偽装犯がそうなるように仕込んだからに他ならない。それを調査委員会は「STAP細胞はES細胞由来」と思い込んだのである。思い込みは論理的な思考が一切働かない。それが根拠のない思い込みであることにも気づいていない。実際、2014年12月の結論から2年以上も経つが、ES細胞の混入なのかすり替えなのかそれとも他の方法なのか、いまだ誰一人として、その根拠を挙げた者はいない。そろそろ、それは思い込みに過ぎなかったことに気づくべきだと思う。

    STAP細胞実験の流れ

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    2017.05.05 Fri l STAP細胞事件 l コメント (5) トラックバック (0) l top
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