「あの日」には小保方氏が保管していた試料がなくなっていたことが書かれている。

    若山研にいた頃に作製され、大切に箱に保存していたサンプルのいくつかが、箱の中から消えていたのだ。特に重要な、ほぼすべての組織が初期胚に注入した細胞から形成されるSTAP細胞からの4Nキメラと呼ばれるサンプルのホルマリン漬けなどがなくなっていた。

    STAP細胞からのテラトーマの実験も複数回行われていたが、それらのサンプルもなくなっていた。

    なくなっていたのは、いくつかのサンプルで、残されているキメラやテラトーマもある。それらは調査委員会によって解析され、いずれもES細胞FES1由来の可能性が高いとされている。つまり、小保方氏の試料は解析されていいものと、解析されると困るものが選別されているのだ。

    選別するのには理由がある。STAP細胞は一週齢の仔マウスのリンパ球から作られている。同じ親から生まれても仔がそれぞれ違うように、4NキメラがFLSとは違う仔マウスのSTAP細胞から作られていれば、DNAを調べると同じAcr/CAG-GFPを持つ129B6F1であってもFES1由来でないことが分かり、4NキメラがES細胞の混入なく作られているのが分かるからである。

    2014年2月、論文疑惑が持ち上がったとき、小保方氏が細胞サンプルを廃棄しはじめたので、理研有志が実験室の鍵を付け替えたことがフライデー(2015年1月23日)に掲載されている。実験室の鍵を付け替えると、自由に小保方研に出入りできるので、そこで試料が盗まれたようにみえるが、そのとき既に、試料は抜き取られていたはずだ。

    木星通信氏の取材によれば、若山研が山梨大へ引越した状況(2013年3月)は次のようなものであった。

    リ氏の試料は若山氏が引越終わって「週末には冷凍庫の電気を消すから必要なものはそれまでに運び出すように」と言われて小保方さんが慌てて見に行ったら冷凍庫の自分の棚にリ氏のボックスがあり、残された(要らないもの)と判断したが、自分には捨てる権限がないので居候先の笹井研へ運び、自分の研究室が出来た時にそこへ残す訳にも行かず、そのまま運び込んだ、というのが真相のようです。

    若山研の引越しを小保方氏は知らなかったことが分かる。教えなかったのは犯人が小保方氏の試料を抜き取り、逆に「129/GFP ES」などの「混入偽装」の試料を置く時間が必要だったからである。

    試料は犯人でないと選別できない。つまり、STAP実験が成功し、「混入偽装」を思いついた犯人が、偽装工作をして逐一その成果物を見ていなければ、作製された試料を選別することはできないのである。2014年2月以降の論文疑惑の騒ぎに乗じて、小保方研を封鎖してみたところで、秘密裡に行われたSTAP関連試料を第三者が選別することは不可能なのだ。

    また、試料の廃棄にしても、誰にも気づかれず、冷凍庫の-80度の試料を廃棄するのは簡単ではないだろう。引越しのときであれば、廃棄したい試料を引越しの荷物に加えるだけでいい。引越しが終わったら、ゆっくりと廃棄処分すれば済むのである。

    「混入偽装」は「STAP細胞事件」が起きた前年に投稿したSTAP論文を潰すためのもので、その偽装工作は、AC129のマウスをすり替えたところで終わり、2013年3月の若山研の引越し時の工作で完結していた。2012年のSTAP論文は3誌が全てリジェクトしたので、その工作が表にでることはなかったが、笹井氏が加わったSTAP論文がネイチャーに掲載されたので、それが時限爆弾のように炸裂したのである。

    2012年版のSTAP論文以降の細胞株AC129やFLS-Tも解析されているが、それらは若山研から送付するサンプルをすり替えるだけでいいのである。

    ①STAP幹細胞AC129はES細胞129B6F1ES1由来である
     小保方研にあったのは129B6F1ES2~6の5株であるが、いずれもAC129とは違っていた。そこで若山研にあった129B6F1ES1を取り寄せ、調べると酷似であると分かった。これは犯人がSTAP幹細胞AC129を培養したものをES細胞129B6F1ES1として送っているからである。小保方氏に129B6F1ES1を渡してなかったのは、AC129もいずれ論文に書かれることを想定していたからである。
    ②STAP幹細胞FLS-TはES細胞129B6F1ES1由来である
     FLS-Tは山梨大への移転直前、若山氏が自分でもできるか試しに作ったものである。小保方氏の指導のもと、STAP細胞を自分で作り、そのSTAP細胞から作ったSTAP幹細胞である。これが129B6F1ES1由来と言われたのは、若山研にあったSTAP幹細胞AC129を培養しFLS-Tとして送っているからである。FLS-TはAC129と同じだからES細胞129B6F1ES1由来とされたのである。



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    2017.03.21 Tue l STAP細胞事件 l コメント (14) トラックバック (0) l top
    STAP幹細胞FLSはメスの市販129X1マウスとオスの岡部B6マウス(Acr/CAG-GFP)から作られている。しかし、若山氏が実験に使おうとしていたのはメスの若山129マウス(CAG-GFP)とオスの若山B6マウス(CAG-GFP)である。このため、オスメス両方が違っているのである。

    当時、岡部B6マウスは若山研で最小コロニーで飼育されていた。このため、増え過ぎたマウスは安楽死させていたことになる。FLSのオスマウスが岡部B6マウスだったのは、実験で使おうとした若山B6マウスを安楽死させ、安楽死させるはずの岡部B6マウスを使ったからである。

    メスの129X1であるが、このマウスは当時、若山研にはなかったと思われる。元々、129X1マウスは若山129マウスを使う予定で実験には必要なかったからである。

    しかし、「混入偽装」には大田氏のES細胞FES1のメスと同じ129X1マウスが必要であった。そこで、犯人はその129X1マウスをクローンで作ったと思われる。

    この129X1クローンマウスの作成には核移植ES細胞が使われているだろう。若山研で確立されたこの方法は2008年11月4日に下記のように報道発表されている。死細胞の核を移植してクローンを作ろうとしてもうまくいかないが、一旦、核移植ES細胞を作り、できた核移植ES細胞の核を移植すればクローンが出来るという内容である。

    今回、理研CDBの若山清香研究員(ゲノム・リプログラミング研究チーム、若山照彦チームリーダー)らは、16年間凍結保存していたマウスの体細胞を核ドナーに用い、クローンマウスを作成することに初めて成功した。長期保存されていた死細胞の核にも発生に必要な遺伝情報が維持されていることが示された。また、これまで核ドナーに適さないと考えられてきた脳細胞が、凍結保存の場合は最適であることもわかった。この成果は、米科学誌PNASに11月3日付でオンライン先行発表された。

    クローンマウス

    STAP細胞実験が本格化したとき、若山研では別の実験が同時進行していた。2013年3月8日に理研から「1匹のマウスから500匹以上のクローン作出に成功」として報道発表された下記の実験である。そのときの若山研にはクローンマウスを作る環境が整っていたのである。

    理化学研究所(野依良治理事長)は、クローンマウスからクローンマウスを作り出す連続核移植を25世代繰り返し、1匹のドナーマウスから581匹のクローンマウスを作り出すことに成功しました。これは、理研発生・再生科学総合研究センター(竹市雅俊センター長)ゲノム・リプログラミング研究チームの若山照彦チームリーダー(現 山梨大学生命環境学部教授)、若山清香研究員、東京医科歯科大難治疾患研究所の幸田尚准教授、石野史敏教授らの共同研究グループによる成果です。

    この実験のホストの卵子にはDBF1マウスが使われている。DBF1はメスのB6とオスのDBA/2を掛け合わせたものである。この卵子の核を抜いて、移管書の中に記載されている核移植ES細胞129/Sv(129X1のメスだろう)の核を移植すれば129X1のクローンマウスが作れるのである。

    この実験で使われた卵子のミトコンドリアDNAは母親がB6であるからB6である。これからクローンを作れば129X1のメスが生まれても、そのミトコンドリアはホストのままのB6である。母親の129のミトコンドリアがB6なのでFLSのミトコンドリアもB6になったのである。FLSで母親が129だったにも関わらずミトコンドリアがB6だった理由は、129X1がクローンマウスだったことで説明がつくのである。

    2017.03.15 Wed l STAP細胞事件 l コメント (11) トラックバック (0) l top
    「STAP細胞事件」について、ブログ「小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会」のコメント投稿者Ooboe氏のパートナーだという人による告発の話が出回っているので、これについて少し書いてみたい。

    告発状を書くときは、検察が起訴状を書くように書けとどこかで読んだことがある。つまり、犯行の三要素、「動機」、「機会」、「手段」について調べた範囲で明らかにし、この行為は刑法〇〇条にあたる。よって、厳正な処罰を求める。というような具合である。

    この告発状の内容について、警察・検察の要求するレベルは我々が思っている以上に高い。我々が思うのは裁判で使えるレベルであるが、警察・検察が要求するのは、それを裁判で争って勝てるレベルである。

    「公的第三者機関というが、放医研は正式な解析契約をしていない。単なる個人の解析に過ぎないものを、さも権威ある機関によって解析されたように装った偽称である」。これは裁判で使えるレベルであろう。

    対して、弁護側は「個人の解析であっても、放医研に勤務する利害関係のない専門家が解析したものであるから、公的第三者機関という言葉を使ったからといって偽称ということにはならない。解析契約のあるなしでそれらの言葉を使い分けよというのは一般常識から外れている。」という反論になるだろう。

    その告発内容では不十分でも裏付け捜査をすれば、さらなる事実が明らかになりそうだと思えば、警察は受理してくれるだろう。その結果、勝てると思えば起訴、そうでなければ不起訴になるのである。

    この告発の話で気になったのが「動機」である。ネットを見る限り、小保方氏の研究者生命と研究業務を妨害したとする若山氏の「動機」が明らかにされていない。この告発内容で受理してもらうためには、何故、若山氏がかつて共同研究者であった小保方氏の研究妨害をしなければならなかったのかという「動機」については、書いておくことが必要だろうと思う。



    2017.03.15 Wed l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top
    一度、書いたことだが、非常に重要なことなのであらためて書き留めておくことにした。それはSTAP細胞もキメラもSTAP幹細胞もFI幹細胞も全てあったということについてだ。

    作られた順番はSTAP細胞、キメラ、STAP幹細胞(キメラと同時)、最後にFI幹細胞という順である。そして、最後に出来たFI幹細胞はES細胞とTS細胞の両方の性質を持ち、今まで知られていない幹細胞の特質を持っているとされた。

    ES細胞とこのSTAP細胞を、ゲノムのたくさんの遺伝子の遺伝子発現パターン解析をしたときに、これが混ざり物であるとか、ES細胞そのものであれば、簡単に今、それが分かるだけの研究、解析技術がありますが、そうしたものでは一切、説明が出来ないような違いがあります。それは、知られている細胞の何かと似てるわけではないので、STAP細胞として僕らが呼んでいるものは、今まで知られている細胞でないことだけは確かです。

    これは、笹井氏が2014年4月7日の記者会見で、STAP細胞について発言したものである。STAP細胞は保存がきかないので現物はないが、FI幹細胞はちゃんと保存されているので、「STAP細胞はない、ES細胞だ」というのであれば、FI幹細胞の遺伝子発現パターンを調べES細胞と同じでしたと言えばよかった。しかし、調査委員会はただゲノムを解析しているだけで、FI幹細胞の遺伝子発現パターンは調べていない。

    調査委員会が調べたFI幹細胞はCTSという細胞株でゲノム解析した結果、FI幹細胞CTSはFES1由来であるとしている。他に調べたFI幹細胞には公共データベースに登録されたChIP-seqデータとRNA-seqデータがある。公共データベースは実験中に持ち込んだ生データが登録されたもので、ChIP-seqデータは「129B6F1 Acr-GFP/CAG-GFP」であり、RNA-seqデータは「B6 Oct4-GFP+α(アルファ)」とゲノム解析されている。

    α(アルファ)の部分だが、このFI幹細胞について調査報告書は次のように書いている。

    大多数のアレルはB6ゲノム配列と一致するのに対して、5-10%程度のアレル頻度をもつSNPs箇所が多く認められる。これは大部分のRNA-seqがB6ホモ系統マウス由来の細胞から得られており、別系統由来を持った細胞から取得されたRNA-seqサンプルが少量混じっている可能性を示す(少量混じっているいると考えられるRNA-seqデータが示すSNPs分布はTS細胞のRNA-seqデータ(CD1系統)と酷似している)。

    RNA-seqでは遺伝子発現時にDNAから転写されるmRNAの配列と量を解読し、その遺伝子の発現量を定量的に調べることができる。また、DNAの塩基配列の特定の箇所には、その塩基を調べればマウスの系統が分かるSNP(一塩基多型)が存在する。遺伝子を発現するDNA領域にSNPを含んでいるものがあり、転写されたmRNAのその箇所を調べると、どのマウス系統からどのくらいの量の遺伝子が発現しているかを知ることができる。

    遠藤氏はSNPを使って、公共データベースに登録されたFI幹細胞のRNA-seqデータを解析した論文を投稿している。下の図は、遠藤氏の論文の図に解説を加えたものである。遠藤氏は対比のため、同じく公共データベースに登録されていたES細胞の解析も載せている。

    FI幹細胞の証拠

    まず、ES細胞で特異的に発現する遺伝子Sall4とKlf4であるが、一番上のSNP(ID=rs33341561)の塩基はC(シトシン)とT(チミン)があり、B6系はCで非B6系はTである。発現量としてはB6系と非B6系でそれぞれ同等(面積比がほぼ同じ)に発現している。これはES細胞が129B6F1マウスだからである。129系DNAからのmRNAとB6系DNAからのmRNAがそれぞれ同等に発現していることになる。一方、FI幹細胞の方では全てB6なので、発現しているのはB6ホモの細胞であることになる。

    TS細胞で特異的に発現する遺伝子Elf5とSox21については129B6F1のES細胞については、一つを除いて発現していない。この遺伝子はES細胞では発現しない遺伝子だと分かる。一方、FI幹細胞は、B6系と非B6系がそれぞれ発現している。ES細胞なら発現しないはずだから、CD1がB6とのF1だったという可能性が考えられる。しかし、CD1B6F1であれば、それぞれの発現量は同じになるはずだが、各発現量をみるとバラバラである。従って、これはCD1ホモとB6ホモがそれぞれ発現していることになる。すると、B6ホモの細胞はES細胞の特異的遺伝子とTS細胞の特異的遺伝子をどちらも発現していることになる。この遺伝子発現パターンはFI幹細胞に他ならないということになる。

    調査委員会が論文に書かれていたが見つからなかったとした、Oct4-GFPのB6ホモのFI幹細胞が公共データベースに登録されていたのである。

    最後に出来たFI幹細胞があったということは、STAP細胞もキメラもSTAP幹細胞もあったということになる。STAP細胞からキメラができ、その胎盤が光ったことからSTAP細胞が胎盤にも寄与することが分かった。そして、STAP幹細胞が出来ていたことから、STAP細胞でTS細胞も作れるだろうと思い、FI幹細胞を作ったということになるだろう。



    2017.03.09 Thu l STAP細胞事件 l コメント (5) トラックバック (0) l top
    明らかにはなっていないが、盗まれたと分かる(犯人によって置かれた)ES細胞は、No.117の「129B6 ICSI P4 ES1 3/17/05」である。これについて小保方氏は「全くわからない」とコメントしている。「ICSI」はIntracytoplasmic Sperm Injection(顕微授精)の略である。129メスの卵細胞にB6オスの精子を顕微授精して作ったES細胞で、4回継代し2005年3月17日に凍結した細胞株ということになるだろう。

    2005年3月8日、大田氏は「Generation of Normal Progeny by Intracytoplasmic Sperm Injection Following Grafting of Testicular Tissue from Cloned Mice That Died Postnatally」という題の論文を投稿している。使用した129マウスは129+Terで、B6は岡部マウス(Acr/CAG-GFP)である。このES細胞は大田氏が作ったもので、共著者の若山氏が保管していたES細胞だと思われる。従って、このES細胞には小保方氏が大田氏のES細胞FES1を盗んでもおかしくないという犯人のメッセージが込められていると思う。

    このES細胞があれば、小保方氏が留学生のES細胞を自分の研究室に運び込まなくてもよい。犯人は留学生のES細胞がそのまま冷凍庫に残される可能性を考え、ちゃんと手は打ってあったということだ。

    凍結日からして小保方氏のものでないのはすぐ分かるし、129B6F1のES細胞であることも分かる。調査委員会がFLSに混入したES細胞を調べるなら、「129/GFP ES」ではなくまず、これを調べるのが筋だろう。しかし、調査委員会の報告書にこの細胞株の名前はない。調べたのはラベルでは129B6F1と分からない「129/GFP ES」である。細胞株を調べるにあたって調査チームは若山研に問い合わせたはずで、その結果、「129/GFP ES」の方を調べたということになる。

    「129B6 ICSI P4 ES1 3/17/05」を調べたなら、小保方氏を捏造犯としたい犯人にとっては、かなり都合の悪いものになった。若山氏が129B6F1のES細胞を持っていたこと、それが小保方氏の箱から見つかったことが表面化する。このES細胞はSTAP細胞とは無関係なので、小保方氏が使ったわけではなく、若山氏が小保方氏に罪を着せているようにも見えてしまう。また、若山研に保存されていた2005年3月17日のES細胞の129マウスが129+Terと分かり、同時期に作られたFES1が果たして本当に129X1だったのか疑わしくなってしまう。

    このES細胞が、石川氏の刑事告発の対象から外れているのも同じ理由で、若山氏を表に出したくなかったからだろう。告発しようとする石川氏にとても、この細胞の存在を教えることはできなかったと思われる。

    STAP論文疑惑が持ち上がってなお、小保方氏の箱にこの不都合なES細胞が存在したのは小保方氏、若山氏どちらにとっても無実を証明しているものと思うが、理研有志はこのことを知って、小保方氏がES混入犯に間違いないと思っただろう。理研の内部情報がマスコミにリークされ始めたのは、このES細胞を知ったことが切っ掛けではないだろうか。同じものを見ても受け手によって受取り方が180度違ってしまうのである。

    2017.03.07 Tue l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top
    下の写真は小保方氏が盗んだとされた留学生のES細胞である。箱は縦横9列で81本のチューブが格納できるようになっている。留学生のES細胞は保存リストで明かなように、よく整理されている。2本1組で40組のチューブがあったと思われ、そのうち2本のチューブが抜き取られている。

    Li-BOX.png

    留学生のES細胞が小保方研にあったのは、犯人がES細胞を小保方研に持ち込んだからである。「ほら、ここに盗んだES細胞がありますよ」というためである。しかし、実際に犯人がそれを持ち込んだわけではない。小保方氏自身が持ち込むように仕向けただけである。

    若山研が山梨大へ移転したとき、小保方研にはまだ研究室がなく笹井研に間借りしていた。笹井研にいた小保方氏は若山研の引越しの日を知らなかった、というか小保方氏にはわざと教えていなかった。小保方氏が引越しの手伝いに来なかったという週刊誌ネタはそこから生まれているはずだ。若山研が引越した後、小保方氏は週末に冷凍庫の電気が消されることを知った。慌てて見に行くと、自分のものと留学生の箱が残っていた。そこでとりあえず、それらを笹井研に運んだのである。もし、そのとき他の人の試料が残っているか、まだ誰かが若山研に残っていたなら、小保方氏は留学生の箱を運ばなくてもよかったのである。

    小保方が引っ越しのどさくさに若山の所から盗んだ細胞が箱ごと発見されたことも公表しろよ。 丹羽のTSもたくさん出てきただろ。

    これは6月18日に投稿されたオホホポエムの一部である。2014年3月18日、CDBセンター長の指示で小保方研の試料の保全措置がとられている。保全された後は試料の確認が行われているはずで、このとき留学生の大量のES細胞が見つかっているはずである。

    しかし、当時のオホホポエムはこのことには触れていない。この時点では、残してきた留学生のES細胞が小保方研にあるかどうかを知らなかったのである。投稿が6月になったのは、理研が小保方研の試料の帰属を確認するため、山梨大に保存リストを送ったからである。そこではじめて、自分の思い通りに小保方研で保管されていることを知ったのである。オホホポエムの作者は山梨大にいたのである。

    さて、石川氏による刑事告発は留学生のES細胞78本と若山夫人のES細胞2本の盗難に対するものであった。しかし、盗まれたES細胞はそれだけではない。もちろん、犯人の仕業であるが、明らかに盗まれたと分かる別のES細胞が小保方氏の箱の中にある。そして、それは盗まれたと分かるES細胞であるにも関わらず、不思議なことに石川氏の告発の対象にはなっていないのである。


    2017.03.02 Thu l STAP細胞事件 l コメント (8) トラックバック (0) l top