小保方氏が公共データベースに登録していたSTAP細胞とFI幹細胞のデータがTs.Marker氏によって公開されたことを書いた。

    公開されたSTAP細胞(RNA-seqデータ)にはSox21というES細胞では発現しない遺伝子の発現がみられた。このSox21はTS細胞で特異的に発現する遺伝子として知られており、これでES細胞ではない細胞であることが分かった。この細胞を小保方氏らはSTAP細胞と呼んだのである。

    一方、FI幹細胞(ChIP-seqデータ)はES細胞とTS細胞の両方の特異遺伝子の発現がみられた。別のFI幹細胞のデータ(RNA-seqデータ)は2種類の細胞種からなると調査委員会は解析していたが、これについてはそのような記述はない。このFI幹細胞にはinputデータがあるので全ゲノムを調べられる。RNA-seqでも分かったのだから、別の細胞種が少しでも混ざっていればすぐ分かるはずで、従って、これは混じりっけなしの細胞種だったのである。そこからES細胞、TS細胞の特異遺伝子が発現していたとすれば、これは紛れもないFI幹細胞だったことになる。

    この2つのデータから、Sox21の発現がみられるSTAP細胞を、ある培地で培養して増殖性を持ったFI幹細胞を作ったというのは素人目にも分かる。小保方氏がSTAP細胞を作り、その細胞をもとに若山氏がFI幹細胞を作ったのは明らかだ。それ以外にこれらの事実を矛盾なく説明できるものはないだろうと思う。

    この2つのデータは小保方氏のSTAP細胞捏造疑惑を晴らすとともに若山氏への疑惑も晴らしているといえる。FI幹細胞が出来ているなら、キメラもSTAP幹細胞も作られていただろうことは容易に想像がつく。若山氏がそのために試料を捏造することはあり得ない。

    では、STAP細胞、キメラ、STAP幹細胞、FI幹細胞があったとすれば、何故、それらの細胞株が論文とは異なったのだろうか。そして、何故、その異なった細胞株と酷似のES細胞があったのかということになる。「STAP細胞事件」は論文不正といった問題ではない。ここに「STAP細胞事件」の本質が隠れているのである。この事実に注目すべきである。

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    2017.07.13 Thu l STAP細胞事件 l コメント (8) トラックバック (0) l top
    Ts.Markerブログの5月10日の記事は「STAP細胞はES細胞由来」を否定するものだったが、7月5日の記事はFI幹細胞の存在を証明するものである。

    小保方氏が登録した公共データベースにはFI幹細胞に関するデータが2種類あり、ひとつはRNA-seqデータで、もうひとつはChIP-seqデータである。

    RNA-seqデータはFI幹細胞の遺伝子の発現が分かるデータであるが、桂調査委員会はそのことには触れていない。代わりにゲノムの配列を調べ、Oct4-GFPが挿入されたB6ホモ系統にCD1(TS細胞が作られた)と思われる2種類の細胞腫を含んだサンプルだと解析している。

    このため、FI幹細胞でES細胞とTS細胞の特異遺伝子が発現したのは、ES細胞とTS細胞が混ざっていたからだとみんなは理解したのである。

    一方、もうひとつのChIP-seqデータも遺伝子の転写制御因子(H3K4me3は転写活性化因子、H3K27me3は転写抑制因子)でどの遺伝子座が発現しているかが分かるが、そのことには触れず、ゲノムの配列により129B6F1 Acr-GFP/CAG-GFPの細胞種だと解析しES細胞129B6F1 ES1とほぼ同一であるとしていた。

    そこで、Ts.Marker氏は他の細胞が混ざっていないこのChIP-seqデータに目を付け、ダウンロードし解析ソフトにかけたのである。

    その結果、小保方氏が2013年11月5日に公共データベースに登録したFI幹細胞のChIP-seqデータからES細胞特異遺伝子とTS細胞特異遺伝子の両方の発現を確認し、FI幹細胞の存在を証明したのである。

    FI-SC_Chip-seq.png


    2017.07.11 Tue l STAP細胞事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top
     Ts.Marker氏のブログを久しぶりに覘いたら、とんでもないデータを載せてあった。桂調査委員会の「STAP細胞はES細胞由来」という結論が一発で吹き飛ぶデータだ。

    この記事が投稿されたのは5月10日だから、もう2ヵ月近くネットの片隅に眠っていたことになる。このまま眠らせておくわけにはいかないので、以下、勝手に解釈したものを記事にすることにした。

    Sox21.png

    このデータはSox21(ES細胞で発現するSox2とは別物)の遺伝子発現データである。三段になっているのは、上段がTS細胞、中段がSTAP細胞で下段がES細胞である。

    このデータの左に書かれた「SRR117590.bam」等を頼りに調べると、元データは遺伝子の発現量を調べるためのRNA-seqデータで、小保方氏が2013年11月5日に公共データベースに登録したものであった。TS細胞はCD1マウス、STAP細胞はOct3/4-GFPのB6×129/svマウス(この種の細胞株は論文には書かれていない)、ES細胞はB6×129/svマウスから作られていた。

    Ts.Marker氏がこの登録データをダウンロードして、遺伝子解析ソフトで画面上にマッピングしたのである。

    Sox21というのはTS細胞特異遺伝子でES細胞では発現しない。以前、遠藤論文にもFI幹細胞がTS細胞とES細胞の混ざりものであるとする論文の指標にもTS細胞特異遺伝子として使われていた。

    解析データをみるとSox21はTS細胞では発現するがES細胞では発現していない。では、STAP細胞はというとTS細胞と同様に発現している。持ち込まれた細胞株がSox21を発現するなら、それはとりもなおさずES細胞ではないということになり、「STAP細胞はES細胞由来」を完全に否定することになる。

    Ts.Marker氏は、生前、笹井氏が記者会見で次のように話していたことを実際に見せてくれたことになる。

    ES細胞とこのSTAP細胞を、ゲノムのたくさんの遺伝子の遺伝子発現パターン解析をしたときに、これが混ざり物であるとか、ES細胞そのものであれば、簡単に今、それが分かるだけの研究、解析技術がありますが、そうしたものでは一切、説明が出来ないような違いがあります。それは、知られている細胞の何かと似てるわけではないので、STAP細胞として僕らが呼んでいるものは、今まで知られている細胞でないことだけは確かです。


             20:30秒から

    桂調査委員会はさんざん調べたすえに、このES細胞とあのSTAP関連細胞は酷似だからES細胞由来だと言っていたが、その調査には何の意味もなかったということである。桂調査委員会の結論が間違っている以上、第二次調査委員会を発足させて調べ直す必要があるということになる。


    2017.07.08 Sat l STAP細胞事件 l コメント (1) トラックバック (0) l top
    STAP幹細胞FLSの由来とされたES細胞は若山研に在籍していた大田氏が作ったもので、小保方氏が着任する1年前に京大へ転出した際、全て引き上げたというES細胞だった。そしてそれは、若山研が山梨大に移転した後、理研の小保方氏の保管BOXから見つかっている。小保方氏がテラトーマの実験のため、ヌードマウスにOct4-GFPのSTAP細胞を移植して渡米すると、その組織から全く異なるAcr-GFPが検出された。また、小保方氏が2014年4月の会見で保管していると答えたSTAP細胞の存在を証明する「光る胎盤」は、12月の調査委員会の会見時にはなくなっていた。「STAP細胞事件」はとにかく不可解である。

    この不可解さは、真犯人が小保方氏がES細胞を混入させSTAP細胞を捏造したと偽装したことにある。偽装に無理が伴うからそのほころびが不可解さになって現れる。その偽装の痕跡を見つけ、混入偽装犯がいることとその手口をかれこれ2年近く書いてきた。情報公開請求によって次第に明らかになってきた事実は全て「混入偽装」を裏付けるもので今や、「STAP細胞事件」が「混入偽装事件」であったことは疑いようがない。その「混入偽装」で最後に残ったのが、複数のSTAP関連試料が同じ染色体の構造変異を持っているという謎だった。

    STAP細胞がES細胞由来とされた理由のひとつは別の細胞株や組織から同じ染色体異常が見つかったことである。STAP細胞はそれぞれ仔マウスから作られるので、別々のマウスから得られた細胞株や組織が偶然、同じ染色体異常を持つのは考えにくい。しかし、それらがもともと染色体異常を持ったES細胞なら、そのことが説明できるからである。

    2011年12月27日に移植されたテラトーマと2012年1月31日から2月2日にかけて作られたSTAP幹細胞FLS、2012年5月25日と7月9日に作られたFI幹細胞CTSは第3染色体と第8染色体に同じ欠失がある。CTSについてはFLSとすり替えられている可能性はあるが、テラトーマの組織はすり替えが出来ないので、別の組織に同じ染色体異常があるのは間違いない。

    この謎を解くヒントが学とみ子氏のブログ「2014年のヤフー知恵袋には、小保方氏が受け取ったマウスはクローンマウスヨ!と書いてあるのです。」に書かれてあった。以前、FLSの親マウスはクローンだと書いたが、そうではなく、小保方氏に渡された仔マウスがクローンマウスで、FLSはクローンマウスから作られたSTAP幹細胞だったというわけである。クローンマウスなら同じ遺伝子をもつので、それでSTAP細胞がつくられたとするとそれらの関連試料から同じDNAが検出されることになる。

    これを裏付ける内容が「あの日」に次のように書かれている。

    実際に独立して再現実験に成功した当時の学生さんは、「幹細胞株化された細胞からクローンマウスを作製する」という、若山先生に割り振られた研究テーマをもとに私とは別の論文の執筆を開始していた。 (中略) こうして、この学生さんによって執筆された論文は実際に投稿されたが、騒動になったのち静かに取り下げられている。

    クローンマウスは卵子の核を取り除き、かわりにドナーとなる体細胞の核を入れて受精卵もどきにし、疑似妊娠させた仮親に移植して産ませるもので、仔マウスはドナー細胞と同じ遺伝子を持って産まれてくる。取り下げられた論文とは、取り除いた核にドナーとしてSTAP幹細胞の核を使ったということであろう。

    当時の若山研ではSTAP細胞実験と平行してクローンマウスの実験が行われていた。この実験は長年継続されており、2012年の動物実験計画承認計画書(継続)では卵子提供用に4500匹のB6D2F1マウスと仮親用に2000匹のICRマウスが申請されている。

    この実験は2013年3月7日に「Successful Serial Recloning in the Mouse over Multiple Generations」の題で論文が公開されており、Fig.1Aには1回の実験で生まれたクローンマウスの写真があり、Fig.1BにはトリコスタチンA(TSA)を使いクローニング効率も10%程度あることが書かれている。

    クローンマウスの仔

    テラトーマの解析結果にみる「混入偽装」の証拠」に小保方氏が2011年12月27日に移植したSTAP細胞に混入偽装犯がSTAP幹細胞を上乗せしたと書いたが、このSTAP幹細胞が第3染色体と第8染色体に欠失をもっていたとすると、この細胞の核を使ってクローンマウスを作り小保方氏に渡せば、そこから作られたSTAP幹細胞は同じ欠失を持つことになる。

    FLSが作られたのは2012年1月31日~2月2日で、12月27日には既にSTAP幹細胞が出来ていたとすると、FLSがクローンマウスで作られていてもおかしくない。FLS1~8が全てオスだったのもクローンマウスだったからということになる。

    また、FLSと同じ時期にキメラ胚からつくられたSTAP幹細胞FLBは細胞株のソート(選別)が行われている。これは、STAP幹細胞の核を取り出す際にホスト胚のES細胞が混ざっていることを見つけ、ソートが必要なことを知ったからだろうと思う。

    しかし、実際のところクローンマウスはSTAP幹細胞と完全に同じ遺伝子を持った個体にはならない。ミトコンドリアは元の卵子のミトコンドリアのままである。このため、調査委員会が調査したテラトーマの組織とFLSのミトコンドリアを調べればその違いが分かったはずである。

    テラトーマに注入されたSTAP幹細胞は市販のメスの129X1マウスとオスの岡部B6マウスを掛け合わせた仔マウスから作られている。このとき、ミトコンドリアは母方のミトコンドリアが受け継がれるので129になる。それに対し、FLSはホストの卵子がB6D2F1でB6D2F1は母方がB6なのでミトコンドリアはB6になるのである。

    混入したとされたES細胞129/GFP ESをFLS3を培養して作ったのは、このミトコンドリアの違いを考慮したからだろう。

    桂調査委員会の調査で分かったのは、「STAP関連細胞株と酷似のES細胞がある」というだけである。これは偽装犯がそうなるように仕込んだからに他ならない。それを調査委員会は「STAP細胞はES細胞由来」と思い込んだのである。思い込みは論理的な思考が一切働かない。それが根拠のない思い込みであることにも気づいていない。実際、2014年12月の結論から2年以上も経つが、ES細胞の混入なのかすり替えなのかそれとも他の方法なのか、いまだ誰一人として、その根拠を挙げた者はいない。そろそろ、それは思い込みに過ぎなかったことに気づくべきだと思う。

    STAP細胞実験の流れ

    2017.05.05 Fri l STAP細胞事件 l コメント (5) トラックバック (0) l top
    小保方氏が12月27日に移植したテラトーマからAcr-GFPが検出されたので、調査委員会はこのテラトーマはES細胞FES1に由来する可能性が高いとしている。

    しかし、混入偽装犯が移植したのはキメラ胚から作ったSTAP幹細胞だったと思われる。Letter論文Extended Data Fig.1aにキメラ胚の写真が掲載されているが、これと同じものである。

    letter-Exfig1.png

    調査委員会は論文ではB6GFP(CAG-GFP)×129/Svと書かれているが、129/Sv×B6GFPの間違いだとし、このキメラ胚は4Nキメラ胚で2011年11月28日に撮影されたものだという。

    STAP幹細胞FLSが作られたのは2012年1月31日から2月1日にかけてであるから、この129B6F1キメラはそれより早い。

    FLSと同じ1月31日にはSTAP幹細胞FLBも作られている。どうして同じ日に2種類のSTAP幹細胞があるかというと、作製方法が違うからである。FLBはキメラ胚から作られ、一方、FLSはSTAP細胞から直接作られた最初のSTAP幹細胞だったと思われる。これについては「SpermEgg Journal Club」に次のようなコメントがある。

    たとえば細胞の樹立がなかなかできず、STAP細胞を注入したキメラ胚を使って初めて樹立に成功したデータは、当初それだけで論文にするつもりでしっかりした表と解析を行っていたのですが、途中から直接簡単に樹立できるようになり、葬り去られました。

    論文にはB6GFP(CAG-GFP)と書かれているが、実際には岡部B6マウス(Acr/CAG-GFP)にすり替えられ、129B6F1(Acr/CAG-GFPヘテロ)のSTAP幹細胞であったろう。これはFLSと同じだから調査委員会はFES1由来といったのである。

    このキメラ胚のSTAP幹細胞を移植したなら、テラトーマにホストマウスの組織が見つかったことが説明できる。

    2013年6月、GRASに持ち込まれたFI幹細胞(FI-SC3)はOct4-GFPのFI幹細胞に別のTS細胞(CD1)が混じっているとされたが、これはおそらくこういうことであったろう。

    初期胚の細胞は胚盤胞期になると、栄養芽層と内部細胞塊の細胞集団に分かれ、内部細胞塊からES細胞を、栄養芽層からTS細胞を作ることができる。また、TS細胞はES細胞と同様、クローン胚で作ることも可能である。FI幹細胞を作るため、CD1をホスト胚にしてOct4-GFPのB6マウスのSTAP細胞でキメラ胚を作り、この栄養芽層を培養したと思われる。この結果、Oct4-GFPのSTAP細胞がFI幹細胞に、ホスト胚のCD1がTS細胞になり、これを選別せずにそのままGRASに持ち込んでしまったということだろう。

    もし、ICRマウスをホスト胚にしてAcr/CAG-GFPのSTAP細胞で4Nキメラ胚ををつくり、その内部細胞塊を培養すると、同じようにAcr/CAG-GFPのSTAP幹細胞とICRのホスト胚のES細胞が混在するはずだ。

    なぜなら、小保方氏の保存リストのFLBには全て「Sort」(選別)という文字があり、4Nと書かれたFLBも例外ではないからだ。4Nキメラは全て注入した細胞でできると言われるが、実際にはホスト胚の細胞も混じるに違いない。4Nでわざわざ「Sort」しているのはそのためだと思われる。

    このような細胞株をヌードマウスに移植するとSTAP幹細胞の部分はAcr-GFP陽性になり、ホスト胚のES細胞部分はGFP陰性となる。これがテラトーマの組織でGFP陽性細胞と陰性細胞組織がなめらかに連続している理由である。

    桂調査委員会はGFP陰性細胞が見つかったのをもって、それはホストマウスの組織だといっているはずだ。GFP陰性細胞のDNAを詳細に調べればヌードマウスの細胞ではなく、それらはICRの組織だと分かったはずである。

    2017.04.25 Tue l STAP細胞事件 l コメント (12) トラックバック (0) l top