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    一度、書いたことだが、非常に重要なことなのであらためて書き留めておくことにした。それはSTAP細胞もキメラもSTAP幹細胞もFI幹細胞も全てあったということについてだ。

    作られた順番はSTAP細胞、キメラ、STAP幹細胞(キメラと同時)、最後にFI幹細胞という順である。そして、最後に出来たFI幹細胞はES細胞とTS細胞の両方の性質を持ち、今まで知られていない幹細胞の特質を持っているとされた。

    ES細胞とこのSTAP細胞を、ゲノムのたくさんの遺伝子の遺伝子発現パターン解析をしたときに、これが混ざり物であるとか、ES細胞そのものであれば、簡単に今、それが分かるだけの研究、解析技術がありますが、そうしたものでは一切、説明が出来ないような違いがあります。それは、知られている細胞の何かと似てるわけではないので、STAP細胞として僕らが呼んでいるものは、今まで知られている細胞でないことだけは確かです。

    これは、笹井氏が2014年4月7日の記者会見で、STAP細胞について発言したものである。STAP細胞は保存がきかないので現物はないが、FI幹細胞はちゃんと保存されているので、「STAP細胞はない、ES細胞だ」というのであれば、FI幹細胞の遺伝子発現パターンを調べES細胞と同じでしたと言えばよかった。しかし、調査委員会はただゲノムを解析しているだけで、FI幹細胞の遺伝子発現パターンは調べていない。

    調査委員会が調べたFI幹細胞はCTSという細胞株でゲノム解析した結果、FI幹細胞CTSはFES1由来であるとしている。他に調べたFI幹細胞には公共データベースに登録されたChIP-seqデータとRNA-seqデータがある。公共データベースは実験中に持ち込んだ生データが登録されたもので、ChIP-seqデータは「129B6F1 Acr-GFP/CAG-GFP」であり、RNA-seqデータは「B6 Oct4-GFP+α(アルファ)」とゲノム解析されている。

    α(アルファ)の部分だが、このFI幹細胞について調査報告書は次のように書いている。

    大多数のアレルはB6ゲノム配列と一致するのに対して、5-10%程度のアレル頻度をもつSNPs箇所が多く認められる。これは大部分のRNA-seqがB6ホモ系統マウス由来の細胞から得られており、別系統由来を持った細胞から取得されたRNA-seqサンプルが少量混じっている可能性を示す(少量混じっているいると考えられるRNA-seqデータが示すSNPs分布はTS細胞のRNA-seqデータ(CD1系統)と酷似している)。

    RNA-seqでは遺伝子発現時にDNAから転写されるmRNAの配列と量を解読し、その遺伝子の発現量を定量的に調べることができる。また、DNAの塩基配列の特定の箇所には、その塩基を調べればマウスの系統が分かるSNP(一塩基多型)が存在する。遺伝子を発現するDNA領域にSNPを含んでいるものがあり、転写されたmRNAのその箇所を調べると、どのマウス系統からどのくらいの量の遺伝子が発現しているかを知ることができる。

    遠藤氏はSNPを使って、公共データベースに登録されたFI幹細胞のRNA-seqデータを解析した論文を投稿している。下の図は、遠藤氏の論文の図に解説を加えたものである。遠藤氏は対比のため、同じく公共データベースに登録されていたES細胞の解析も載せている。

    FI幹細胞の証拠

    まず、ES細胞で特異的に発現する遺伝子Sall4とKlf4であるが、一番上のSNP(ID=rs33341561)の塩基はC(シトシン)とT(チミン)があり、B6系はCで非B6系はTである。発現量としてはB6系と非B6系でそれぞれ同等(面積比がほぼ同じ)に発現している。これはES細胞が129B6F1マウスだからである。129系DNAからのmRNAとB6系DNAからのmRNAがそれぞれ同等に発現していることになる。一方、FI幹細胞の方では全てB6なので、発現しているのはB6ホモの細胞であることになる。

    TS細胞で特異的に発現する遺伝子Elf5とSox21については129B6F1のES細胞については、一つを除いて発現していない。この遺伝子はES細胞では発現しない遺伝子だと分かる。一方、FI幹細胞は、B6系と非B6系がそれぞれ発現している。ES細胞なら発現しないはずだから、CD1がB6とのF1だったという可能性が考えられる。しかし、CD1B6F1であれば、それぞれの発現量は同じになるはずだが、各発現量をみるとバラバラである。従って、これはCD1ホモとB6ホモがそれぞれ発現していることになる。すると、B6ホモの細胞はES細胞の特異的遺伝子とTS細胞の特異的遺伝子をどちらも発現していることになる。この遺伝子発現パターンはFI幹細胞に他ならないということになる。

    調査委員会が論文に書かれていたが見つからなかったとした、Oct4-GFPのB6ホモのFI幹細胞が公共データベースに登録されていたのである。

    最後に出来たFI幹細胞があったということは、STAP細胞もキメラもSTAP幹細胞もあったということになる。STAP細胞からキメラができ、その胎盤が光ったことからSTAP細胞が胎盤にも寄与することが分かった。そして、STAP幹細胞が出来ていたことから、STAP細胞でTS細胞も作れるだろうと思い、FI幹細胞を作ったということになるだろう。



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    2017.03.09 Thu l STAP細胞事件 l コメント (5) トラックバック (0) l top

    コメント

    CD1とB6ホモのFI幹細胞が混ざった理由については下記のエントリーを参照してください。

    http://wamoga.blog.fc2.com/blog-entry-129.html
    2017.03.14 Tue l wamoga. URL l 編集
    Re: No title
    FLSのミトコンドリアDNAがB6由来だったという話もありましたね。129B6だとミトコンドリアDNAは129由来になるはずで、だから核移植ではないかと疑われたと思います。これについては別の可能性もあると思っています。
    2017.03.11 Sat l wamoga. URL l 編集
    No title
    ・FLSは核移植ES細胞と予想して核移植ES細胞の全ゲノムを読んだが、どうやらFLSは核移植ES細胞ではなさそうだ。
    ・そこですでに得られたゲノムのデータでSTR解析をおこなった。
    ・受精卵ES細胞のFES1のみがFLSと一致した。
    (日経サイエンス3月号の要約)

    眞葛原雪(主権在猫) ‏@pririn_
    CDBは当初B6129と発表していました。STAP幹細胞FLSは実はB6129だったのかもしれませんが、それではテラトーマの生サンプル(129B6)と合致しないので、テラトーマの核(129B6)からES細胞を作成、FESと命名、とか。 #STAP細胞

    興味深いものが有ります。
    2017.03.11 Sat l LL. URL l 編集
    Re: No title
    7月22日の訂正版には、以下のように「誤表記」と書かれていますので、単なる書き間違いだったということでしょう。

    追記:前回の発表での誤表記:
    誤:FLS-3およびFLS-4: B6129F1: CAG-GFP, ♂
    正:FLS-3およびFLS-4: 129B6F1: CAG-GFP, ♂

    2017.03.11 Sat l wamoga. URL l 編集
    No title
    2014年6月16日の理研のSTAP細胞株の検証報告では、FLS-3,FLS-4はB6129FF1 CAG-GFP ♂でしたが、7月22日に129B6F1に訂正されました。
    調査報告書には核移植ES細胞はB6129(B6N SLC ♀/129+Ter CLEA ♂)と有ります。
    当初の方が正しければ、核移植ESという事もあり得ますか?
    2017.03.10 Fri l LL. URL l 編集

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